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麻生悌三のブラジル不思議発見 50 ≪アマゾンの水中林(Igapo)≫
麻生さんのブラジル不思議発見の3月号は、≪アマゾンの水中林(Igapo)≫です。ブラジルで最初に住んだのがアマゾンだったこともあり特に北伯アマゾンには、愛着を持っておられるようで普通では、知れない新しいブラジル発見が
紹介されます。暫くはアマゾンが続くのでしょうか?毎月月初めが楽しみです。
アマゾンが豪州と、略、同じ面積と云うのは驚きです。最もブラジルは、62%でペルー、ボリビア、コロンビア、エクアドールに広がる全長6515キロの大河。色々不思議発見の話題として事、欠かぬ地域のようです。写真は4枚ほど検索しその内から麻生さんご自身に選んで頂いたものを使う事にしました。


ブラジル不思議発見 − 50 アマゾンの水中林(Igapo)
アマゾンは豪州と略、同じ面積、7百万km平米を持つ熱帯雨林である。ブラジルの占める面積は、その62、4%。残りはペルー(16,3%)、ボリビア(12%)、コロンビア(6,3%)、エクアドール(2,1%)である。アマゾン川の長さは6515km。川口の平均流量は20.9万立方mである。この膨大な総水量の15兆トンは降雨による。年間平均雨量は2300mmが650万平方kmに降る。川口流量は年間5,5兆トン。流域の蒸発、蒸散量は年間9,5兆トン。流域降雨の50%は、川や湖から蒸発した水と
アマゾンの土壌や植物から蒸散した推量である。この他に上流から増水(アンデスの雪解け水も含め)により、水が供給される。増水期は5-6月、渇水期は10−11月である。
アンデス方面の上流から、水が増え始め、アマゾン流域の水位は上流から始まる。増水水位は平均15−30m位ではなかろうか。水位の上がった分が、森林の冠水面積である。、
降雨の源は、蒸発、蒸散作用だけではない。大西洋が日光で熱せられ、蒸発した、水分を
たっぷり含んだ雨雲は、貿易風に載せられ、アマゾンの上を流れ、アマゾンから中央ブラジル、を通過して、ラプラタまで到達する。この雨量をFlying Riverと呼ばれる。これだけの淡水量は、世界の淡水の70%位に達するものと思われる。アマゾンの並外れた淡水
の量はこれだけではない。アマゾン川の地下4千mには、アマゾン川の淡水量に相当する大地下湖が存在している。アマゾン川の4千m上空に、空飛ぶ川、地上に大河アマゾン、地下に大貯水湖と何と、三層の淡水が存在する。全世界の淡水量の総和を凌駕する量だろう。水の惑星に熱帯雨林が広がっているのがアマゾンである。アマゾン流域の1/3位の上流の区域は冠水し、1年の半分は、大なり小なり、冠水しているものと思われる。
アマゾンは高低の差が、著しく低く、上流1400kmのマナオスで標高22m、上流
3500kmのイキトスで標高100mと高度差が堆積した水の流れを止める。其の上、
熱帯雨林の木々が柵のように、たち防ぎ、流量を更に止める。水は上から下に広がるだけでなく、横にも広がり、冠水面積を更に広げる。この冠水した面積を、Varzeaと呼び、
河川の流域の低地を云う(低地部をVarjaとも呼ぶ)この沿岸のVarjaの奥には冠水しない
高地が控えており、これをTerra Firmeと呼ぶ。一方、洪水によって熱帯雨林が冠水した
区域をIgapo(水中林)と呼ぶ。両者の違いは、養分濃度の差であり、河川から運ばれた有機質でVarjaは豊富であるに対し、Igapoは養分が少なく無機質的な淡水の溜まりである。
アマゾン地方で牧畜を営むには、Varja とTerra Firmeの2箇所の土地を所有していなければならない。渇水期には栄養豊富なVarjaで放牧し、増水期には牛群を高台のTerra Firmeに移動させる。アマゾン流域の魚の種類は2千とも3千とも言われ、大西洋の魚の種類より多いい。さて、長々と水の話をしてきたが、アマゾンに棲息する、約250種類の哺乳類は、洪水の影響を受け、生態を変化してきた。増水期に入ったら、樹上生活に入るか、水棲哺乳類になるか、高台に逃げるしかない。アマゾンには、猿顔負けの、樹上生活に見事適用し、生活の本拠を樹上に移した動物がいる。ナマケモノ、キンカジュ、ハナグマ、ヒメヤマアラシ、オセロ、ヒメアリクイ、等である。一方、水に馴染み、泳ぎ、潜水、河底歩行等が出来る動物は、タッツー、アンタ、カッピバラ等である。タッツーなどは潜水時間30分を超えて、河底を歩行移動する。アンタやカッピバラは鼻を水面上にだし、何時間も水中に留まる事が出来る。樹上も、水中も適用できなかった哺乳類、鹿、ノブタ、ヤブ犬、ヒョウ、等は高台に逃げるしかない。樹上生活者である、猿は基本的には水が苦手だが、種類によっては水泳が得意な猿がいる、天狗猿、カニ食い猿、日本猿等は泳げる。
一方、アマゾンに棲息するサルで泳げるサルは聞いた事がないが、多分、皆無だろう。
類人猿(チンパンジー、ゴリラ、オラウンター)は水泳は全く駄目。類人猿と遺伝子が
98%同じのホモサピエンスも基本的には、泳ぎは駄目だが、訓練によって、泳げるようになる動物もいる。アマゾンの食肉連鎖の頂点に立つ、ヒョウは泳ぎは上手い、潜水は駄目だが、泳ぎ、樹上にも適用している器用な獣である。環境の変化により動物も順応する生物である。そもそも、アマゾン河は3億年前までは、東から、西へ太西洋から、太平洋に流れていた。アンデスの造山活動により、ペルー側が盛り上がり、流れが逆転した。
環境に順応するのも、立派な、生物の進化といえよう。アマゾン上空の空飛ぶ河は不思議発見―34で一部重複。

麻生(2018年3月1日)、



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