麻生悌三のブラジル不思議発見 56 ≪古代モホス文明―その1と猛漁ピラニア≫
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麻生さんのブラジル不思議発見 56 9月号は、紀元前800年から1200年前の古代モホス文明との事で今まで聞いた事もないアマゾン上流、ボリビアのモホス大平原が舞台です。古代人が雨期に陥没する低地に盛土で人口島を作り直線の道路で結ぶ文明が存在していたと云う信じがたいお話に猛漁ピラニアのお話です。勉強家の麻生さんでないと書けない話です。年末までは、継続すると云うブラジル不思議発見ですが、何時もその豊富な話題に魅了されます。写真は、ボリビア国内を流れるアマゾン川支流とモホス大平原です。 |
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ブラジル不思議発見 − 56 古代モホス文明―その1と猛漁ピラニア
紀元前800年から、1200年の後半の大昔、白人が入る前のボリビアの東南地区
モホス大平原に、モホス古代文明とも言うべき、膨大な、人口集落が造成されていた。
モホス平原の面積は25万km平方、で殆どの地域は低湿地帯である。その雨季に陥没する低地に、盛土で人工島を造り、島と島(ロマと呼ぶ)の間は直線の道路で結び、道路の
側面に水路を開き、道路の総延長は5千kmにも達した。ロマの総数は凡そ、2万個、更に、養魚池として利用していた平面の池。2千箇所も分散建設された。モホスの総人口は
数十万といわれ、其の人口を養う農業もあった。ボリビアはアンデス山脈に連なる山岳地帯と言う印象があるが、その国土の2/3は低地の湿地帯である。その文明は100年程前に発見れているが、世に知り渉ったのは1966年、アメリカの地理学者によって本格的発掘調査が行われてからである。発掘調査により、文明の痕跡が発見された。ロマと云う盛り土の島は、大きなものは、直径が1kmもある。高さは30mに達する物もある。そのロマとを結ぶ、道路網である。テラプレンと呼ばれる道路の特徴は、直線である。其の総延長は5千kmに達する。テラプレンの多くは、平行して水路を伴い、運河、排水路、として活用され、総延長は500kmに及んだ。無数の耕作地も残されており、古代人はアマゾンの自然を制御し、計画農業を実施した。アマゾンの水を制御するために、2千箇所に及ぶ人造湖を造成した。この人造湖は正方形である。この文明の建設者は極めて高度な水利土木技術と生態学の知識と農業技術を持っていた。大規模に自然の生態系を作り変えた。現在、モホス平原に残っているのは、作り変えられた自然である。一体、誰が、この文明を建設したのか、又、どこから来た民族か?どうして、消えてしまったのか。アマゾンは人跡未踏の文明の処女地ではなかったのである。
巨人族
盛り土島の発掘から、膨大な、石器、住居跡等が発見されている。其の中の人骨で、身長
2m位の大男の骨格が多数見つかっている。そのDNAは中国の大男の物のと同じだったと言う。まさか、中国人が来ていたわけでは、ないだろうが、その後、アマゾンの原住民で大男説は聞いたことも無い。
マラジョー文化との関連
マラジョー島は盛り土島が400箇所以上に見られる古代の集団地であった。独特の土器の模様、はアンデスの文化の影響を受けているようだ。5千kmも上流のアンデス地区から、カヌーで河口に下ってきた民族がいたようだ。又、マラジョー文化は農業面で卓越した功績を残す。それはテーラプレッタ(黒土)だ。焼き畑農業は、一時的に土地を肥やすが
効果は一時的である。しかし、有機物(森林)を蒸し焼きにして炭にして、土壌に漉き込んだら、ミネラルやバクテリヤの含有が多く成り、肥沃になる。発掘調査でマラジョーの土地はテーラプレッタが多いいことが証明された。このテーラプレッタはマラジョーからボリビアの熱帯雨林にまで、ふっきゅうしている。土器以外に、ボリビアと河口のインジオとの間に、技術交換があったようだ。 ホモス平原から、マデイラ川を下り、本流に入り3千km下り。マラジョー島まで、川沿いにテーラプレッタが点在している。タパジョース川にも多いい。マラジョー島ではロマは造成したが、テラプレーンは造成していなかった。交通はカヌーのみでお行はられた。注目すべきは、盛り土して人口の島を作り。島と島を人口の橋(盛り土)で結んだ、土木技術で増水期を制御した事である。養魚池も造成し、魚や貝類も育てた。但し、マラジョー島では、橋と養魚池の造成は行わなかったようだ。飼わなくても、自然の池で、捨てるほど獲れた。
猛漁ピラニア
アマゾン一帯には数種類のピラニアが生息し、いずれも肉食魚で体長20センチぐらいで群棲する。普段はおとなしいが.血の臭いを嗅ぐと、獰猛化し、狂ったように獲物の動物に群がり、牛1頭を20分で白骨化してしまう。一端、攻撃が始まると、数万匹のピラニアが血の臭いで集まり、川面を盛り上がり、凄惨な光景である。ピラニアは鋭い剃刀のような歯を持ち、釣り上げたピラニアに小枝を口の中に入れると、小枝を切り落とす仕種が見られる。単体では臆病な、おとなしい魚だが、弱った動物を本能的に識別し、攻撃を掛ける傾向がある。雨季に牛群を渡河させる時など、下流で1頭を犠牲にして、ピラニアの群をひきつけ、群が集まった隙に、牛群を渡河させる。この魚、小骨が多いいが、フライにすると肉質は美味で、食べられる。サンパウロ州の河川でも少ないが、見られる魚種である。現地人はピラニアがいる川で水浴するが、女性は生理の時期は注意が必要で、水浴はカヌーに水を溜め岸辺で行う。アマゾンを代表する魚であり、観賞魚としても人気がある。尚、ワニはピラニアが大好きで、好んで襲って食べる。(2018年9月1日 麻生)
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