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麻生悌三のブラジル不思議発見 58 ≪欧米に何故、野生猿がいないか?及び南米の密林の王者ジャガー(オンサ)≫            
麻生悌三さんのブラジル不思議発見は、来月の12月で御終いになり話題が集まる迄お休みになるそうです。今回の11月分は、欧米に何故、野生猿がいないか?と南米の密林の王者ジャカー(オンサ)の二つの話題からなっています。猿と云えばニホンザル、ブラジルではマカコの名前でお馴染みですが、欧米には野生猿がいない?との事です。不思議ですね。
ブラジルでお馴染みのオンサがジャガーの一種で牧場主の大敵でフィラーと呼ばれる猟犬を飼い牛を擁護するとの事、面白い話が飛び出します。是非ゆっくりお愉しみ下さい。
写真は、ブラジルのジャガー事、オンサ ピンターダです。


ブラジル不思議発見 –− 58 欧米に何故、野生猿がいないか?及び南米の密林の王者ジャガー(オンサ)

不思議なことに、アメリカにも、欧州にも、朝鮮半島にも、野生の猿を見ない。青森県の
下北半島が、猿の北限で。目と鼻の先の北海道にも野生猿の生息は無い。今から7千年前の白亜紀に霊長類は、意外にも北アメリカで発生したらしい。当時の北アメリカは熱帯圏
だったらしい。その後、霊長類は、北アメリカーヨーロッパーアフリカーアジアへと分布
して行きました。中南米の猿のほうが、アフリカの猿よりも、古い証左です。北アメリカは6千年前、環境変化が起こり、北アメリカの霊長類は全滅します。欧州に渡った猿は、100万年前の氷河期にやはり全滅します。気候変動の少なかった、南半球で猿は生き残りました。370年前、パナマ地峡がくつき、陸橋ができ、南米の動物の北上、北アメリカの動物の南下が始まります。南米の猿も、より良い環境と食糧を求めて北上します。
メキシコに到達し、北アメリカに入る手前で、運動は中止します。理由は、猿の生息する
餌がないためか、気候が合わないのか、北アメリカには野生猿が生息していません。欧州でも、ジブラルタルに少数、野生猿の生息がありますが、イべリヤ半島にも、気候的に恵まれたイタリア半島にも、いません。ホモサピエンスが発生する20万年前から、欧州には野性ざるは皆無だったのです。それから、目と鼻の先の北アフリカから、欧州に野性差が侵入した形跡はありません。やはり、餌の問題でしょうか。(ジブラルタルの猿はペット
の猿が逃げ出し野生化した猿と云われている)
南米の猿は、鼻の穴の間隔が広く、広鼻猿類と呼ばれる。一方、アフリカ等の猿は鼻の穴の間隔が狭く、狭鼻猿類と呼ばれている。3千年前にこのような分類が出来た由だ。6千万年前の、北アメリカの猿を全滅させた、大環境変動の時に、南米の猿にも、若干、影響があっただろうと予想する。アフリカから漂流して南米に流れ着いた猿もいるはずである。
関連性がある筈であるが、アフリカと南米の猿は、似ていない。アフリカは大型で、知能の発達した、猿が多いが、南米は、小型のマーモセットのような原始的な猿が多く、
大型で知能が発達しているのは、フトオマキ猿(道具を使用する)一種だけである。マカコプレゴと呼ばれる、ペニスの形が釘のような形の猿は、堅い実を割るのに、恒常的に
台石と割り石を使って、実を砕く。類人猿並みの知力といえよう。
猿目は凡そ220種類あり、生物学的には、人も猿目に一員であり、猿が進化して人になったと言われているが、人と猿との分枝点の化石が発見されておらず、猿が進化した証拠はない。しかしながら、類人猿と人間とのDNAは98%同じであり、僅か、2%に相違があるに過ぎない。今から、700万年前、人とチンパンジーの共通の子孫が生まれ、そこから、人が分枝しただろうと言う説が強い。以上

南米の密林の王者 ジャガー(オンサ)
豹には2種類あり、北米南部から南米にかけて棲息しているジャガーとアフリカ、アジアにかけて棲息している、レオパードである。レオパードの方が、体格も若干小型で、体色の黄色が薄い。又、両種の遺伝子の変異で、1割位の確立で、生まれてくる、黒豹はパンサー(panther)と呼ばれるが、これは異種ではない。豹はライオン、虎に準じる、殺傷力
を持つ猛獣であり、現在の南米の食肉連鎖の頂点に立っている。ジャガーより若干、小型で、南米の山岳地帯に生息するピューマは、生態、獰猛さも類似しているが、殺傷力はジャガーに劣る。ブラジルでは、ピューマも、豹にひっくるめて、オンサと呼んでいるが、生物学的には、全く、別物である。豹は、木登りが得意で、水泳も上手い。獲物の攻略は、隠れて、奇襲的に襲う、極めて危険な猛獣である。木の上で、待ち伏せし、下を通る鹿や猪を襲い掛かり、喉笛に噛み付き、一撃で絶命さす、顎の力と牙を持つ。
太古の昔、北米から虎に特大の牙を持たした、サーベルタイガーなる猛獣が、南米に来て
食物連鎖の頂点にたったが、絶滅してしまっている。その後は、ジャガーが頂点にたっている。北米南部から、パラゴニヤまで、広い範囲で棲息している猛獣だが、場所により体格が違う、メキシコ、のジャガーはオスで平均体重60kg、大型のパンタナ―ルのジャガーは平均110kg、南米のジャガーは中北米より大きく、平均100kgあろう。 
生態
夜行性で、群れは作らず、単独で行動する。メスは子育て2年後、狩猟を教示し、巣立ちを計る。母親ジャガーと仔ずれの親子ジャガーは見かけるが、生後2年止まりである。
猫族は、水が苦手で、水辺付近には棲息しないが、ジャガーは水泳が得意で、水辺に好んで生息する。鹿、猪、カッピバラ、等小動物を常食しているが、水中の魚も捕らえるし、体長2m位のワニも捕らえて食べる。アフリカでは、豹より強い猫族もおり、ハイエナのように群れで襲ってくる敵もいるので、獲物を倒すと、樹上に運び、横取りされるのを防ぐ行動をとるが、南米では、ジャガーと対等に戦える敵はなく、獲物を樹上に運ぶ動作は余り聞かない。
牧場の大敵
奥地の牧場経営の敵の一つに、ジャガーによる食害がある。放牧では、夕方、塩を給餌する。塩を舐めに集まる、牛群を見て、健康状態、群れからはぐれた牛、等をチェックし、はぐれ牛を探しに牧童が行ったりするのが、放牧管理の要諦である。塩を舐めた牛は、ジャガー出没地帯では、子牛、メス牛を中心に、オス牛が囲み、円陣を作って、眠りに付く。
夜中、ジャガーの襲撃を予期したら、オス牛は、角を外敵に向け、低い姿勢から、突き上げる態勢をとる。円陣を作る牛群の規模は大体100−300頭の群れで、塩給餌場を中心に、数箇所の円陣が見られる。猛獣は自己より大型の敵は、襲撃より外す。牛を襲うのは、常食の小動物が少なくなったり、牛肉の味を覚えて、襲撃が常態化したジャガーである。牧場の大敵ジャガーを駆逐するために、ジャガー狩が必要に応じて、行はられる。
猟犬を放ち、ジャガーを包囲し、木に登って、猟犬から退避したジャガーを射殺したり、
槍で突き殺したりするが、猟犬の中でも、際立って、大きな、フィーラブラジレイロと呼ばれる(ブラジル犬)体重60kgの大型犬がいる。日本の土佐犬そっくりな、頑丈な犬で
16世紀の奴隷制の時代、奴隷の監視、逃亡防止等に、作り出された、犬種で、土台は土佐犬と同じ、闘犬のブルマチチフスに捜索犬のブルードドッグ等を交配した、犬種で闘争心と闘争力に優れ、追跡能力抜群で、単独でも、ジャガーに襲い掛かる。普通の猟犬は吼えて、多数で包囲し、追い上げるだけだが、このフィーラはジャガーに突撃する。フィーラを飼育している牧場主はフィーラが3頭いれば、猟銃無しでジャガー狩が出来ると述べている。このフィーラ、本来の奴隷監視の任務で、何人の奴隷をかみ殺したか、解らない。
奴隷は、脱走して、キロンボと呼ばれる、脱走奴隷が作った秘密の部落に、たどり着くまで、フィーラの追跡対策として、干し肉の粉末とトンガラシの粉末を用意して逃げた。途中で、肉粉に塗したトンガラシで犬の嗅覚を麻痺させ、追跡を振り切ったそうだ。
以上
麻生(2018年11月1日)



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