「コロナの日々、つれづれなるままに」 川越 しゅくこ
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コロナウイルスの世界的な蔓延で今は、世界的中で外出を控えるようにとの行政の司令が出ており窮屈な蟄居生活を強いられており50年!!の皆さんもそうしてこの閉じ込められた生活を過ごしておられるかこのHPにも残して置きたいと思っていますが、その第1号にしゅくこさんの『コロナの日々、つれづれなるままに』が古谷さんへのお便りの返信の形で届いていますので残して置く事にします。古谷さんの返信も一緒に掲載して置きます。
写真は、10数枚送られて来ているのですが、1枚しか掲載出来ないので最後の1枚、散歩中の森の中でのしゅくこさんの写真を使用しました。残りはBLOGでご覧ください。
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古谷さ〜ん & 皆々様へ
しゅくこです
ごぶさたしています。メッセージをありがとうございました。
御礼が遅くなりましたことお許しください。このコロナ騒ぎのなかどうお過ごしでしょうか。
ジョン君と歩いた道をせっせと歩いていらっしゃるんでしょうか。
それとも外出禁止令が出て、ペットの散歩ならOKとかで、 猫のジョイ君と歩いているとか?
はやいものでジョンが亡くなってもう一年になるんですね。わたしの猫シロもこの3月に逝ってしまったので、もうペットロスから立ち直ったと思っていましたが、今朝、庭の手入れをしていると、近所の方がわんちゃんの散歩中立ちどまって私にシロのことを訊いてくれたとき、思いがけず涙がこみあげてきました。
まだこのもやもやした厄介なものが、心の底のどこかに潜んでいるのでしょうか?
そんなわたしですが、「意外に忙しい」毎日です。
コロナ騒ぎの中のわたしのつれづれ日記になってしまいますが、それでもよろしかったらお付き合いください。
今日 4/3日の最新のニュースでは日本の感染者数が3800人を越え死者が89名になりました。
そのうち兵庫県は感染者数が175人。死者が9名ですが、これを書いている間にも、どんどん増加が加速されているのを想うと毎日の生活の有り様が不安になってきます。
2月あたりから、友人たちと一緒に歩こうよと声をかけあい、感染源といわれる「密閉」「密集」「密接」とは無縁の有馬富士公園、武庫川沿いの水仙ロード、平谷川沿い、わたしの散歩道である弥生が丘小道などをせっせとウォーキングしています。
3/26日も、ポルトガル語を一緒に勉強している恵子さんを、いつもは1人で歩く、ちょっと寂しくて怖いわたしの縄張り、「弥生が丘小道」を案内しました。
11時に出発。リュックに飲み物とおにぎりと数個のチョコを入れて。
往復2時間ばかりの雑木林は人が一人が通れるほどの細長く幅の狭い一本道が続きます。
舗装されていなくても、厚い落ち葉の層の 湿った道は足裏にやさしく、植栽のボランティアの方たちによって、剪定した枝などをしきつめられていて歩きやすい。たくさんの種類のきのこ、コバノミツバツツジの透き通ったピンクの花、踏みそうになる小さなスミレ群、倒木を覆う苔類に感動しながら花や木の話でいっぱいでした。
今回も「日頃の行いのいい2人」(?)なので暑くもなく、寒くもなく、雨も降らずの最高の散歩日より。
途中、中年の女性一人とすれ違いました。「家にこもっていてもね〜」「ホントにね、お気を付けて」と分かり合った知り合いのような親しみをこめた挨拶で別れました。
いつもなら、すれ違う未知の人には「こんにちは」とただの軽い陽気な一言だけなのに、わたしたちが交わしたこの少ない言葉の中に、思わぬ時代の不安に巻き込まれている者たちに共通する思いやりの温度を感じました。
(キノコたち。左端はサルノコシカケ、あとはしりません)
「ね、花を歌おうよ」とわたしはおもわず彼女にいいました。
彼女はカトリック教会でレースを冠って独唱をする歌唱力のある人。
かたやわたしは錆びたかすれ声で、咳込んだりするしか能のない人。なぜそんな迷いのない厚かましいことを口にしたのかわかりませんが、自然発生的に滝廉太郎作の「はるのうららの隅田川」が2人の口からこぼれていきました。
驚いたことに、私の口から流れ出るのは、まるで他人の声のような柔らかいアルト、気持ちよくハモルことができたのです。どう考えてもいつものわたしの喉ではなかった。
まるで、天使が降りてきて光の中でわたしたちのそばでにこにこしながら指揮をしているようでした。
1匹の黒っぽい蛇が足元をよぎって笹林のなかに滑り込んでいきました。
そのうねる姿が陽気だなと感じたのは目の錯覚でしょうか。
そこを抜けて広い深田公園に入りおにぎりをパクつきました。
19ha (190平方km?)もある広い深田公園も 「密集、密接、密閉」からはかけ離れた日頃ほとんど人の姿のない、文字通り、この辺の市民の広域避難場所です。
私の知る限り、30年このかた1回しか使われたことのない野外円形劇場にはじめてピクニックの家族づれが1組。
また芝生の向こうの石張りの広場ではスケートボードで遊ぶ中高生男子たちが数人。
私の孫が遊びにきたときに連れていく貸し切り状態だつた遊園地には数組の親子の姿が・・。
その風景は春の光と緑と柔らかい風の中でなんだか懐かしく甦ってきた光景でした。
帰りに彼女の乗ってきた小さなスポーツカーに、シロが一週間しか使っていなかったかまくら風の寝床、トンネルの遊具、つめとぎ、封の切っていない固形の餌やトイレの紙砂などを運転席の足元までわんさと詰め込んで持って帰ってもらいました。
彼女は2匹の室内猫と5匹のノラちゃんを庭で飼っていて、虫なんか、ゴキブリも平気でつかむ肝っ玉の据わった動物好きの友人です。人によっては死んだ猫の使ったものを、縁起でもない、と思う人もいるでしよう。でも彼女はそういう種類の人種でなく、わたしと感性を共有できる持ち主なのでこんなこともお願いすることができました。
シロの最後の物を託する人はこの人しかいないと、長い付き合いで分かり合っていたのです。
これでペットロスの件も一件落着したような、ここでもまた天使の導きがあったようなそんな一日でした。
まだまだ書き出したらこの閉塞状態からの抜け道エピソードがありますが、さすがにうんざりされそうなので、この辺で。
その後、数日して移民ミュージアムの出石みちこさんもまたこの小道をご一緒してくださいました。
とてもとても楽しく貴重な半日でした。みちこさん、ありがとうございました。
明日は、ジムの友人とまた密閉、密接、密集を避けて免疫をつけにでかけます。
でもこれが本当に感染予防になっているのかどうか、いまのところよくわかりません。
でも、やっぱり閉塞状態は嫌なんです。
古谷さん、みなさま、どうぞお体に気を付けてお過ごしください。
古谷さんのしゅくこさんへの返信です。
しゅくこさ〜ん 古谷です
貴信「つれづれぐさ」を拝読しました。一気に読み通しました。
逝ってしまった愛猫の事を尋ねられると、思わず涙ぐむお気持ちは痛い程分ります。
壱年前の私がそうでした。団地の見知らぬ人からジョンの事を聞かれた時、胸を詰
まらせました。広い団地の中を、朝夕、親子連れ(?)で歩いていたのを多くの人
に見られていたのでしょう。ジョンは Shetland Sheepdog、当地では余り見かけぬ
犬種だったので、目立ったのだと思います。況してや、物凄く喧嘩好きでしたら、
猶更でした。散歩に出掛ける時に、手に持った首輪を見たジョンの弾んだ鳴き声は、
未だに耳朶に残っています。15年も20年も飼っていると家族の一員です。
ジョンとの散歩に代えて、始めたジムでの筋トレもコロナの所為で、中止。止むな
く、ジョンとの散歩道を一人で歩いています。二キロの道を歩き、百段の階段を登
るので、結構運動になるとは思いますが、理想を言えば二周すべきと思い、いつか
ら二周するか? 自分の足と心臓に尋ねています。
団地の直ぐ外は高速道路で、散歩できる道はありません。お住まいの近くの弁当を
持って三時間も四時間も散歩できる道は大変羨ましいと思います。精々、コロナに
負けず、散歩をお続けください。我が方は、散歩に代え、団地内をジョギングして
いる人が結構いますので、要は気持ちの持ち様次第かなと思っています。
天国のシロは、二十年間しゅくこさんに可愛がって貰った愛しみを決して忘れては
いません。出来る事なら、もう一度お宅に戻りたいと思っている筈です。
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