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「ブラジルと日本人」 故斎藤広志先生著 【書籍紹介】
サイマル出版会の倒産により絶版となってしまっている名著3部作が手元に残っているがブラジルの日系コロニア、ぬり絵社会と白紙社会、移民資料館づくり、日本人とブラジル人、フェジョアーダとお茶漬け、青春の日々、懐かしの人びと等どの章を開いても斎藤先生とブラジルが飛び込んで来ます。巻頭に「斎藤先生と私」という作家開高 健の巻頭言が掲載されているのでこれを本文で紹介しておきます。「斎藤先生は、背骨が1本、いや2本くらい通っているほどの剛気があった。友だちとして、あるいは師匠として、最高の人物であった。」写真は本書の表紙です。
斎藤先生の思い出−あとがきに代えて現日伯交流協会会長(当時日本ブラジル青少年交流協会事務局長)の玉井義臣さんの書かれた部分からお借りすると『先生が亡くなられた年の暮、私は交通遺児高校生の海外研修でブラジルを訪れ、先生のお墓参りをし、お宅の書斎で夫人から次のような話をうかがった。「両親がガンで死んでいるので気がついてはいたと思いますが、とうとう最後まで家族にはガンということばは口にしませんでした。しかし、夜など頭の髪をかきむしって、オレにはしなければならない仕事が残っている、と男泣きに泣くのを見るのは本当に辛かったです」と。また、医師に「もう二年、生かしてほしい」と言われたという話、死ぬ直前に強い希望で取り寄せた草野心平の「茫々半世紀」を家人に読ませ、満足げに聴きいっておられたという話など、聞いていて胸が痛んだ』





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