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同船者内田 明さん(1943年9月3日生まれ山口県出身)にお話を伺いました。
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内田 明さん(59歳)は、リオグランデドスール州カシアス市に26年住み着いておられるガウショーです。私とほぼ同じ頃ポルトアレグレ市に引越して来られその後カシアスに移られました。同船者とはいえそれ程近しいお付き合いはありませんでしたが、お兄さんの中津井さんとは早稲田の先輩でもありポルトアレグレに住んでおられることからテニス、ゴルフ等を御一緒にプレイする仲間としてお付き合いさせて頂いておりました。内田さんの現在VARIGのスチュワデスをしておられる次女のカロリーナ美代さん(26歳)がリオグランデドスール州のミス日系コンテストで優勝された時に審査員として参加していた事から良く覚えております。今回カシアスに出向く機会があり昔の話を伺ったり40年前の古い写真をお借りして来ました。写真はお宅の応接間で居合わせた長女の美香さん(30歳)と奥様さま伸子さん(55歳)の3人で撮らせて頂いたものです。 |
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柔道2段の猛者。
内田明さんは山口県の防府高校を卒業と同時に18歳でブラジルに移住して来られました。動機は勉強が余り好きでなく柔道に明け暮れしていた高校2年の時、先に移住していた長兄の中津井雄介(移住するために山口県の中津井家の構成家族として入籍そのままの姓を継続)さんより勉強が嫌いで大学に行く気がないのであればブラジルに来いと誘われ「面白そう!!」と高校卒業と同時にあるぜんちな丸第12次航に乗り込んだ。船内生活はそれ程記憶はないが、２等デッキに設けられた畳の間で乞われて柔道の手ほどきを有志に教えた事、悪仲間？と一緒に麻雀を覚えたこと程度でこれと言った記憶は残っていない。ドル持ち出し制限があり携帯ドルは、確か１００ドルだった。その大半を船内と寄港地で使ってしまった事は良く覚えている。
懐かしい修業時代を経て現在に。
着伯早々はポルトガル語も分からず仕事が見つからなかったのでサンパウロの小野道場で柔道の指導を半年間手伝った。南伯中央産業組合の店頭職員の職に有り付けたが言葉が出来ない事、特に売上伝票をポルトガル語で記帳できない事から３ヶ月で首になる。その後繊維関係の三洋テックスに入り中島社長のお宅にお世話になりその時にまだ高校生の１５歳だった現在の奥さん伸子さんと知り合う。厚遇を得ていた中島社長の居心地のよい職場を敢えて辞退、言葉をしっかり身につけることを目的にリオの日本商社の日商(現日商岩井)に就職し日商が輸入販売していた東洋ベアリングの販売員としてブラジル中をセールスして歩いた。月の内20日間は旅先、5日間がサンパウロと本拠地リオで過ごす４年半が続いた。言葉を覚え商売を覚え修行時代の貴重な経験を得る大事な4年半であったと明さんは懐かしがる。このVIAJIANTE（旅行商人=セールス・マン）時代に行き安めにサンパウロで立ち寄る中島社長宅での息抜きが最大の楽しみとなり成長する奥さんとの恋心が芽生えたとの惚気も聞かせて頂いた。１９６８年に兄の雄介氏がポルトアレグレで家電販売会社 《ＣＡＳＡ dos GRAVADORES》設立を機に手伝って欲しいとの依頼を受けポルトアレグレに引越した。1976年にカシアスドスール市の同社支店開設時の責任者としてカシアスに引越し既に２６年になる。
四季のはっきりした住み易い町カシアスドスール。
現在住み着いているカシアスの町は公式人口４０万人(最近仕事を求めて近隣都市より流れ込む人口が多く既に５０万人を越したと言われている)のリオグランデドスール州第二の都市で気候が良く四季がはっきりしおり冬には降霜、降雪もあり標高８００メータの山岳気候で夏も涼しく住みやすく非常に気に入っておりここから離れる積りはない。奥さんとの間に長男３１歳、長女３０歳、次女２６歳の子供に恵まれているがまだ孫は授かるに至っていない。長男のトーマス正明さんは４年ほど日本に行っていたが昨年ブラジルに戻り現在クリチーバ市でコンピュター関係の会社に努めている。長女の美香さんはカシアスでお母さんの雑貨販売店を手伝う傍ら最近は弁当の仕出し会社を共同経営しており近く結婚するとのこと。次女のカロリーナ美代さんは現在VARIGのスチュワデスとして活躍しており、家族割引の特権で世界中を旅して回る機会がありこれからはVARIGでできるだけご夫婦での旅行を楽しんで行きたいとのこと。羨ましい限りです。
(平成14年11月12日タイプアップ 和田 好司)
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