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【ブラジルで損せぬ法】実業のブラジル誌より転載させて頂きます。
バーチャル座談会のコメンテターとして協力頂いている山下 日彬さんは、私と神戸高校で机を並べた同級生です。『私たちの40年!!』HPでも記念誌【城島学校】等で紹介しておりますが、『実業のブラジル』誌に16年近く継続して好評連載中のブラジルで損せぬ法の経済コメントを山下さんのご好意で2003年1月(185回)以後の論評を転載させて頂く事になりました。山下さんのYACON社のHPには2001年8月号(170回)以後が掲載されておりますので興味のある方は是非バックナンバーを読んで下さい。ブラジルに住んでいる我々は勿論、日本の皆さんにも大いに役に立ち示唆に富んだ、生きた経済論としてブラジルに置ける事業展開、損をしない法が毎月満載です。
写真は、実業のブラジルの表紙をお借りしました。



山下晃明のブラジルで損せぬ法(186)

『実業のブラジル』誌に好評連載中(2003年新年号)
ルーラ新大統領の就任式ブラジルで決して損せぬ法

 ルーラ新政権

 東洋の陰陽学では2004年から、世界はまったく新しい時代になるという。ルーラ政権はその改革への道作りをするに違いない。
1月1日ルーラ新大統領が就任した。15万人の赤旗をふる観衆に驚いた騎馬儀じょう兵が落馬したり、ロールスロイスがエンストしたり、観衆が行進に入り込み、護衛や騎兵隊と入り乱れての入場となった。宇宙ロケット打ち上げなら些細なミスも許されないが、おおらかなブラジルは何でもありである。
 参列の外国代浮ヘ117国、元首は9名で、中でもカストロ議長、チャーベス大統領とあまり親米的でない人が注目された。国会の就任式でもルーラの応援歌が歌われるなど異色であったが、どうどう就任した。
 今後の考えられるシナリオは、今年はFHC経済政策の踏襲模倣を試みるが結果としてうまくいかず、党内部からの不満も高まり、2004年から彼独自の改革路線になる可柏ォが考えられる。
 ルーラ新政権の閣僚は半数がPT(労働党)で、外務、商工業、農務、運輸、通信、法務、企画、中銀総裁などの要職をPTにしなかったことが海外から好感を持たれてドルレートも少し落ち着いた。  
 だがPTの大臣が国家落Zの75%を握っており、選挙で負けたPTの州知事候補者を7人も閣僚に拾いあげたのが、はたして州政府への牽制役になるか、州の赤字補填の援護者になって自らも選挙出費の補填をめざすかが読めないところである。
 どこからでも手をつけて、特に年金と税制と労働法は一刻も早く改革してもらいたいものである。

 ブラジルで損せぬ法

 この号の本誌を読んだ人は、これからブラジルで損をしない。ブラジル人にどうしてあのジャポネスはいつも儲かるのだと言わせよう。
 ブラジルで事業を維持していると、過去に起きたコーロル・ショックやレアル・ショックのように、政策で一夜にして為替が1/3になったり、給料、物価が外貨でみると3倍になるような事態が数年に一回起きるのである。
 過去の企業の失敗原因は多々言われているが、要約すると、卵ェ以上の為替の急変化、卵zしていなかった税率の上がりや法改正、急な賃上げなどの、政策による状況突然変化に経営者が対応できなかったに過ぎないのである。
 逆の見方をすれば、現在世界は専門家でも先の読めない時代であるが、ブラジルは読めるのである。
 まず年初に「今年からはブラジル・システムに俺は負けないぞ」と固く決意する。
 ブラジルの今年の為替目減りは、年30%ぐらいあるかもしれないし無いかもしれない、だがこんなことに関係無く、毎年現地通貨で自己資本の50%程度を確実に儲けることを目標にする。 
 何か起きてもともと起きなければ得したと思えば良いのである。
ブラジルの決算書など一切無関係に、年初のドルまたは円換算で自己資本金をこれ以上減らさないことを決意するのである。
 これで進出企業の場合は、ブラジルが本社の連結決算のお荷物にならなくなるし、地場企業の場合でも外貨で見ると年々縮小するのを防げる。
 ブラジルの商工業経営の基本条件を考えてみよう。税金が世界一多くあって売上の50%程度は持っていかれる。金利は世界一高く売上の10%程度は取られる。
 したがって純売上は40%のみ、この中で例え原価と経費を半分に出来たとしても20%以上は絶対に儲からない。
 皆さん!ブラジルでは年1回や2回の資本回転の事業は確実に損をする仕組みになっているのです!
 またグローバル資本主義経済では、他より高い価格は市場から淘汰される。なれば自己資本の回転を上げるしかない。
 極端な話し、前金で売って翌日払いで仕入れて、毎日同じ金額を売って1%儲ければ年360%の儲けになる。自己資本は一日分のみで良い。
 数字に強いジャポネスの頭脳を活かせて50%の利益計画を作成しよう。

 教訓の(1)

 必要以上に外貨をブラジルに持ち込まない。資本金は為替の目減りで、結果的に資本家にとって投資するより外国に預金しておいた方がよほど良かったとなるのであれば、当地の経営者も最初からそうすればよいのである。
 資本回転率の高い経営にして最小の自己資本で運営する。
 資金を持ち込んだら直ちに不動産など為替に強い物件を購入し、キャシュフローの余剰金はドル・スライド預金や外貨に換金する。

 税金滞納即続行不狽フ時代

 INTERNET時代になり、所得税などを滞納しているとCNPJの有効期限が更新されず、NOTA FISCALの印刷もできなくなって事業存続不可狽ノなったことは2-3年前に述べたが、最近法人のINSSやFGTSもINTERNETでCND(税滞納非存在証明)が出るようになり、自動車など不動産を買うときにも即座にチェックされる。
 以前はINSSのCNDが1ヶ月FGTSは3ヶ月もかかったもので、一度取得するとしばらく有効であったがいまや毎日確認される。
 今後の新政権でも為替や税制の政策急変化は当然卵ェされるので、資金繰りに失敗し滞納せざるを得ない事態も到来する。 その場合今までと異なるのは、ちょっとした資金繰りのショートで税金滞納が発生すると、今後は即座にCNDが出なくなり、資産の売買、入札などが出来なくなる。
 高インフレ抑制に成功し、安定経済が鳴り物入り絶対安全のレアル・プランでさえ為替は 当初は対ドル1レアルだったのが数年で3.50レアルに目減りしたのを忘れてはならない。

 教訓の(2)

 母体を極力小さくする。

 人件付帯費など義務納税額を減らすことである。なにしろブラジルの人件付帯費は給料額以上になるのだから従業員が何万人もいて滞納するとこれで終わりになるが、20人なら何とかなるだろう。 
 母体がきちんと納税していればCNDは入手できる。下請け会社が滞納していても関係無い。不動産の売買や入札はできる。高給の出向社員も定款上の代楓員以外は人件付帯費の安い外国法人籍のまま、現地では長期出張ベースでも仕事に支障はないのではなかろうか。

 新春放談

 今年からはすべての問題を根本から従来と異なる考え方で解決しよう。

 北朝鮮やイラクは開き直っている。ならずもの国家やテロを相手にせねばならぬ時代になった。ことなかれ主義では対抗できない。
隣に女好きのならずものが住んでいるとする。こちらには適齢期の娘がいる。やられっぱなしになるか、戸締りと警備を厳重にして防衛するか、相手を追い出すか、自らが逃げ出すしかないのだ。

 国際紛争

 新時代の行き方として、戦争をしないで国際紛争の問題点を未来技術で解決する方法があるはずだ。何事も別の角度から見れば、骨太計画ではなく、相手を骨抜きにする解決策があるはずだ。

 イラク問題

 フセイン大統領に一番打撃を与える方法は、軍事攻撃でなく、石油消費を半減させて油田などあっても役にたたなくすることだろう。ガャ潟唐全然使わない電池自転車や軽自動車を急ぎ世界中で共同開発して世界中に売りまくる。イラクの大統領は誰でもよくなる。フセイン大統領が「どうか石油を買ってください」と頭を下げてくるようにする。

 北朝鮮ミサイル

 敵ミサイルを誘導して必ず発射地点にもどす技術を通信電気技術者が総力を上げて開発すればよい。北朝鮮がミサイルを持とうが持つまいが、誰が総書記でもどうでもよくなる。国民が食べていく資金もないのに無理をしてミサイル開発を続けてきた先方をがっかりさせよう。

 北朝鮮工作船

 すべての船が領海に入ったら最後、絶対に逃げられない巨大なワープを開発して捕らえてしまう。帰りは出国許可の暗証番号を日本政府が押さない限り自力では出られないようにする。

 テロ対策

 すべてを透明にすれば解決する。自動車を透明にし、人間も透明の衣服を着るようにすればかなり減る。飛行機内をプールとサウナにして水着で乗るようにすればよい。

山下晃明のブラジルで損せぬ法(187)

『実業のブラジル』誌に好評連載中(2003年2月号)

ルーラ政権への評価と損せぬ法への教訓

 ルーラ新政権

 為替も下がり、出だし良好である。もし1-2月に支払い手段を20%ほど削減し30%インフレへの危険を排除したら30点、5月の最低給料の賃上げを15%以下に抑えたらもう30点、年金支払い上限を一律にする法案を通したら満点を差し上げたい。
 ちょっと数字を見ていただきたい。FGVのIGP-DIだが月インフレは昨年前半まで0-1%台で進んでいたのが、後半はコンスタントに2%以上になっている。
   2000  2001  2002
JAN  1,02  0,49  0,19
FEV  0,19  0,34  0,18
MAR  0,19  0,80  0,11
ABR  0,13  1,13  0,70
MAI  0,67  0,44  1,11
JUN  0,93  1,46  1,74
JUL  2,26  1,62  2,05
AGO  1,82  0,90  2,36
SET  0,69  0,38  2,64
OUT  0,37  1,45  4,21
NOV  0,39  0,76  5,84
DEZ  0,76  0,18  2,70
年計 9,81  10,40 26,41
 これが月3%台になり、4%台と増えていくと、必ずインデクスが復活してハイパー・インフレへの道を歩むことになる。今止めなければ止まらない。1月に公定金利を0.5%上げたようであるが、それだけでは手ぬるい。年初1-2月に支払い手段を20%程度の削減出来るかどうかが非常に重要である。
 次ぎに4-5月頃、最低賃金で労働党の賃上げ圧力を抑えられるかどうかである。仮に20%以上の賃上げを許してしまうと、その後、高インフレを誘発する可柏ォが大となる。
 年金支払い一律上限額設定は、既に軍部や司法と真っ向から対立しているが、年金赤字は外債金利支払いに次ぐ国家重要課題であるから、軍部や司法を説得し、法案を国会で通過させる政治力があれば、後は何でも改革の可柏ォができる。過去にジャニオ大統領の失脚の真相は軍部の年金減額に手をつけようとして追放されたの説もあるから、もし成功すれば諸外国はルーラを俄然見なおし、外資にとって再び魅力のブラジルとなるだろう。
 
 要注意はPTの圧力

 上記金利に関してルーラは過去にブラジルの金利は少数の外国銀行が経済官僚を買収しているから高いのだとか、最低賃金に関しては1,100レアルが妥当などと発言しているので、PT内部の過激派よりの圧力が高まるのは必至で、これをルーラがどう受け止めるかが問題である。
 最近ある米系企業のトップの話を聞いたら、3月末までは静観するとのことであった。通常新政権はカーニバル休みに大統領の参謀格が別荘にこもってプランを練るから正しい判断かもしれない。

 ルーラ大統領、両・ダボス会議への参加
 
 スイスのダボスで行われる第33回世界経済フォーラムはダボス会議と言われグローバル派の賢者会議であり、一方ポルトアレグレで行われる世界社会フォーラムはNGOやMSTなどが主導し反戦主義者、人権主義者や体制不満分子などもが集まり10万人の反グローバル派の集いで今年は3回目で反ダボス会議と言われる。この会議にルーラはネクタイを取って参加し、すぐその足でネクタイを締めてスイスへ飛んでダボス会議にも出席するとのことである。イャbプ物語だったかの、こうもりとネズミの如くであり、どっちつかずは余り感心できないが双方で同じ主張をしているから芳しとしよう。
 ダボス会議は南北の格差を無くするのが目的であったが、グローバル資本主義経済でその差は開く一方である。
 グローバルを加速しているのは実はコンピュータであり、そのデータ蓄積と送信に世界中同じデジタル信号が使われるのだから集中化を止めることはもはや誰にも出来ない。
 100人の人がいるとする。一同に集めて皆の資産を集中して公平に100等分して皆に与えたとする。ある期間が経過するとグローバル経済では一部に富が集中していると思われる。
 これの解決方法は税金方式すなわち強制的に金持ちより取り貧乏人に与えるシステムか家族方式、すなわち家長が働いて家族を食べさせ教育する仕組みを世界的に恒久的に行うしかないだろう。従ってルーラの提唱する世界給食機高フ設立は良策である。後進国の政府が介入すると貧民に届かないことがあるから、すべて直接送金か原物直接配給の世界システムを穀zするべきである。

 データのグローバル化は進む

 記憶データは現在世界中コンピュータのデジタル信号を使用する。データ保存に同じデジタル信号を使う以上はどうしてもグローバル化する。サーバーの記憶装置の容量が上がればあがるほど、一元化がデータ検索にも便利である。Yahooなども今は国別にサーバーがあるが記憶容量とスピードが2桁ぐらい上がれば国境をとっぱらって将来はデータバンクが一元化にすることになるだろう。
 言語の違いや通貨などの単位の違いはすべての言語の辞書を入れて自動翻訳をして原文侮ヲと自動翻訳侮ヲが選べるようにする。仕向け国別にカンマとコロンを逆にしたり、和数など異なる単位の数字侮ヲの場合は日本向けのみカッコ内に併記すれば良いのであるから、逆にとっぱらわれるのは国境の方だろう。その意味では将来コンピュータは東西問題の解決に役立つかもしれない。

 危機対策に大衆民主主義は機狽オない

 ダボス会議では東西問題や環境問題も当然議題になるが、環境問題など危機レベルの問題解決には大衆民主主義や人権擁護主義は機狽オない可柏ォがある。例えば地球上に住む生物にとって空気と水は生命維持に不可欠であるが、何かの理由で汚染してしまって、滅亡の危機が迫ったとき、会議を繰り返したり、大衆の話しを大統領がひとりづつ聞くのでは間に合わない。また過去に先進国は公害の垂れ流しをしたから、後進国にも「当然の権利」があると主張されても解決しない。理屈抜きに一刻も早く空気と水を浄化せねばならないのである。

 解決にはコンドミニアム方式が良い

 あるコンドミニアムの周囲の道路に誰かがゴミを捨てる。「ゴミを捨てるるな」と看板と立ててもゴミは増える一方で衛生上も良くない。さてどうするか。皆でゴミ清掃人を雇うのが一番手っ取り早い解決方法なのである。 
 これと同じで、地球規模の廃棄ガス汚染と水質汚染の問題を短期に解決するには、規制を設けるだけではだめで、廃棄ガスを吸収するか減らす科学的方法を見つけ、水質汚染にはそれを浄化する科学的方法を見つけてそれを大規模に実施するが一番効果的である。
まず学者や企業家に対してはアイデアにはノーベル賞並の賞金を出し、強力な資金提供者と実行力のあるリーダーに実行させるのが一番良い。これが目的なら賢者会議は機狽キる。

 続・ブラジルで損せぬ法・教訓篇

 1950年ごろは日本とのコレポン交換は郵便で往復2週間もかかった。その後国際宅配便が出来て往復6日に、60年代になるとTELEXが出来て夜送信すると翌朝返事がくる。原稿のパンチテープを時間かけて作ったものだが、次にFAXが出来てそのまま送れば良くなった。便利な時代になったものだと言われていたが、今やEMAILになって、連絡すると先方に残業している人がいたりするとすぐ返事が返ってきて日に何度も交信となる。
 もっと進んでいるところはインターネットテレビ会議をしているようで、情報の時差が無くなった。
 インターネット付携帯も当たり前になりスイッチを切っていてもメッセージが入って来る。

 教訓の(3)・情報のスピードを上げる

 コレポンも情報の送信も受信も瞬時にする。思い立ったら吉日ではなく、吉時、吉分である。
 PCや携帯は最新型に惜しみなく投資して手に入れよう。また情報を刻々入手する情報網を穀zしよう。

 教訓の(4)・視野を大きく適職適業を

 2004年から本格的な政治経済の改革期に入る。産業革命とルネッサンスが同時にくると何度も書いているが、経済のグローバル化は世界中が同じデジタル信号を使ってデータを蓄積し送信する以上、国家や言語の差は意味がなくなり、いやでも統一されることになる。
 さらにナノ技術などは物質生成の分類基準までくずしてしまうことになり、当然業種も根本的に再編成、これからの時代に必要な知識や価値観が変るから教育も再編成になるのである。
 このような時代にはブラジルとか南米とか特定の地域に限定しないで、地球レベルで物事を考えねばならない。MERCOSULでいくら頑張ってもALCAも来るし、もっと大きな統合もやってくることになる。



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