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ブラジル通信(2)
日本のハッピーシニアライフネット(埼玉の柿沼 實さん主宰)に参加させて頂いておりますが、実質会員400名前後で推移するHSLNのメンバーの中に現在25名の方が来年の4月中旬成田発でブラジルオフ会を実施する事を目的に各種意見交換、手作りのブラジルの旅(ブエノスアイレスも入れる案も検討中)を計画中でブラジルに住む者として是非このブラジルでのオフ会を成功させたいと願っております。
ブラジルは、遠くて近い国、親しみを感じるが良く分らない国として捕らえられており日本列島以外に住む日本人、日系人が一番多い国で身の回りには誰かしら繋がりがある国ですがコヒー、アマゾン、リオのカーニバル、イグアスの滝、最近ではサッカー、出稼ぎ等断片的な身近な知識しかお持ちでない方が多いと思います。それだけに片道24時間の距離と治安への不安はあっても是非一度は訪ねてみたい国だと思います。皆さんの関心事である治安問題、為替の行方、実際の訪問先情報(イグアス、ポルトアレグレ、リオ等)が中心となりますが不定期でこれらの情報をメンバーの皆さんに伝えて行きたいと願っており今回がその第二信です。最近のブラジルの動き等をお知らせします。写真は、ブラジルの南部地域に咲き誇るジャカランダの花です。


前回のブラジル通信(1)は、私が訪日する前でしたので8月中旬UPだったと思います。それから3ヶ月近くが経過しておりますので先ず最近のブラジル経済の動きを見てみましょう。
パロッシ財務相やメイレーレス中央銀行総裁、更にIMF(国際通貨基金)のJORGE RUARTEブラジル調査ミッション団長等が口を揃えてブラジル経済は、リセッションを終え確実に成長期に入りつつあると強調してきましたが、それを裏付ける数字としてブラジル経済の牽引車として位置付けられるサンパウロ州工業連盟の9月の工業活動指数が発表されサンパウロ州の工業生産高は、8月比6%増、昨年9月比で5.5%伸びており、年末景気に向け過熱傾向を示し俄然活況を帯び出していると報道されており、一方農産物の輸出も好調で来年度の穀物生産も大きく伸びる見込みで農薬散布用の農業用飛行機、トラックター、播種機、収獲機等の農業関連工業が異常な伸びを示しています。
自動車業界の動きを例に取ると9月の国内販売台数が125035台であったが10月には140749台が売れており9月比12.6%のupを示し昨年同月比でも0.3%増で確実に経済回復が進んでおり、10月までの昨年比-3.8%の今年度自動車生産台数150万2千台は、年末までに180万台を大きく上回る可能性が出て来ている。因みにブラジルにおける国産自動車のシェアーは、フィアットが24,6%、GMが24,3%、フォルクスワーゲンが21,9%と拮抗しており第4位にフォードが11,2%となっている。日本勢のトヨタ、ホンダ、三菱等の国産車も健闘しているものの後塵を拝しています。
もう一つ大きな伸びを示している例として10月の単車の売れ行きが注目されるが過去最高の月間80066台を販売しており今年2月の77466台を抜き月間8万台に突入している。HONDAのシェアーが一番大きく昨年10月より8.4%増の70230台(市場占有率88%弱)を売り上げており特筆すべきでしょう。
年間の工業生産高の予想は、昨年比で1%から1.5%の後退予想から最大1%の増に見直すに至っている。今後のクリスマス商戦をめざした荷動きと一時雇用の増大等も期待されています。
先ず為替事情ですが、11月7日の為替レートは、1ドルR$2.8690で8月1日には、5月19日以来になるR$3,032で3レアイスを越したとお知らせしましたが、その後もレアル高傾向が続き、ブラジル投資リスクも1998年6月ベースの570ポイントまで下がって来ています。一方ブラジル最大の取引高があるサンパウロ証券取引所の指数も2000年3月27日の最高指数の18951ポイントに近付きつつあり、11月7日には、18672ポイントを記録しています。
輸出面では、10月のブラジルの輸出総額は、75億6600万ドルで輸入が50億2300万ドル、バランスは25億4300万ドルの入超で年初からの累計バランスは200億3400万ドルを記録、過去最高額に達しています。ブラジルの年間輸出総額は、730億ドルに達し世界貿易総額(輸出)の1%を確保する事になろうとブラジル輸出協会のJOSE AUGUSTO CASTROさんは予想しています。1980年にはブラジルの輸出総額が200億ドルで2002年には、成長率202%の600億3千万ドルに成長しているが同期間に中国は何と180億ドルから3250億ドル6千万ドル1705%の成長率を示している。2002年度の世界貿易に占めるブラジルのシェアーは、僅か0.94%に対し中国は何と5.07%を占めるの至っています。
次にインフレと銀行金利ですが、ブラジルのインフレも10月には、予想外の0.29%に収まり9月の0.78%より大きく下がり年間10ヶ月の累積が9,39%、過去1年間のインフレ率が13.98%に収まって来ています。
一方、中銀が発表する年間金利率は、10月にこれまでの今年最低の19%に下がっており、年間の実質金利5%を目標に今後も金利の下げが実施される可能性が強くなって来ています。中銀の年間金利からインフレ率を引いたものが年間実質金利となり現在の19%からインフレ率を引いたものが年間実質金利になります。何所まで下がるのかは今後のインフレ率の動きと帯同していく事になるでしょう。
それでは、ブラジル経済の回復基調により今後も為替は堅調に推移するのでしょうか。グロバルインベスト社の試算では、来年度に返済期限が来る銀行を中心とした民間の外債額は、350億ドルで、今年を59%上回るとの事。全額が繰り延べされれば問題ないが、テンデンシア社の予想では85%が繰り延べ可能であると見ている。大部分の短期資金は、今年上半期に銀行が導入したもので、海外でのより安い資金に魅力を感じ、当地で為替調整付き債権で運用した方が有利との判断で導入したが今年初めに年率20%辺りにあった為替クーポンも現在では2.5%程度にまで落ち込んできています。従いブラジル最大手の銀行であるBRADESCO銀行は、こんなに低く続くと銀行としては事前に決済した方が良くなるとレンビ常務は述べている。12月には27億ドルの期限返済外債があり内23億ドルはこれら銀行の短期導入資金でありこれを返済する為に市場でドル買いに走る事になり当然為替相場は、上向くと見られ年内には1ドルR$3,00を越す可能性が強いと見る向きもあります。民間債務と同様、政府債務の返済額も今年の50億ドルから来年には68億ドルに膨れ上がる。前述の如くブラジルの貿易収支が好調で今年の年末には220億ドルの入超が予想されますが来年度は、経済が回復し、資材の輸入が増大する事が予想され入超額が178億ドル程度まで落ち込むと予想されています。ブラジル経済が成長する為には、それを支える国内貯蓄が必要ですが、ブラジルにはそれがない事から経常収支勘定を埋め合わせる資金が必要となり外貨準備高から捻出するとなるとなると最低30億ドルは不足すると予想されその影響でドル相場が上がる可能性も出て来るとの見方が強いようです。
ブラジルは、IMFの援助は、必要としないとルーラ大統領は宣言していますが今年末までに必要があれば引き出せる80億ドルに加え来年度末までに必要であれば引き出せる新規の60億ドルを加え合計140億ドルの外貨引き出し準備金を提供するとのIMFとの合意が成立しており経済安定化に進んでいる事は間違いないようです。
ルーラ大統領が8月6日からアフリカ5カ国の訪問予定を11月初旬に延期した事を前回お知らせしましたが、LURA大統領は、11月3日から都合6日間の日程でアフリカ南部諸国、モザンビーク、アンゴラ、ナミビア、南アフリカの諸国を訪問しブラジルとアフリカとの経済交流、無償案件を提供する事によるこれらの国に対する影響力を増す目的で訪問しており、特に南アフリカでは2010年のサッカーのワールドカップ開催に付き言及し【ブラジルに負けて欲しい】との要請をしない条件付きで全面的に支持すると発表して国民を喜ばせました。
DATAFOLHAの世論調査によるルーラ大統領の人気、支持率は、就任後10ヶ月は粗40-45%を維持しており10月の調査では8月の45%よりやや低い44%を記録しています。国連における演説や海外での発言もそこそこ板に付いて来ており南米、アフリカの指導国の元首としての実力と貫禄を付けて来ており多くの人が心配していた小学校出の大統領は、立派な若き指導者に育ちつつあるとの安心感を与え始めていることは喜ばしい限りです。
手元にある新聞、雑誌等の数字を拾いながら簡単に纏めて見ましたが、最後に皆さんの関心事であるブラジルオフ会が行われる2004年の4月中旬の為替レートはどうなっているでしょうかね。もっと期近に最終見積を取る来年1月当時の使用為替レートは一体幾らがベースになるのでしょうか?難しい予想ですが、来年1月の地上費の最終見積時期には1ドル3レアイス、4月の旅行実施時には3レアイス10センターボ程度になっているのではないかと素人占いを立てて見ます。今後の動きがどうなるのか皆さんと一喜一憂するのも旅行準備の楽しさの一部ではないかと思います。今後も訪問先の町の案内等も含めてブラジル通信を続けて行く事にします。




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