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第10回バーチャル座談会 【ポルトアレグレ総領事館存続に付いて】後編
第10回バーチャル座談会の後編は、前編に対するコメント、サンパウロ新聞に連載された『菊の御紋を消さないで。。。』の現地取材に基く記事を参考に具体的な発言を期待していたのですが、矢張り直接当事者である地元民でない場合、意見を述べ難い話題のようで低調でした。後編は中止しようかとも思ったのですが、真っ向から取り組んでコメント頂いた方への礼儀とこのキャンペンは、結果がどうであれ最後までそのプロセス、経過、課程をフォロウする事が大切であり我々が出来る唯一の方法であるとの認識から後編を纏めて置く事にしました。ご意見頂いた皆さんに深く感謝します。
これでキャンペンが終了したのでなくその一里塚として一章を残して置くに過ぎない事は明白です。
写真は、5月1日に行われた南日伯援護協会主催の秋の運動会会場に気持良さそうに泳ぐ鯉のぼりです。我々地元民に取ってはこの鯉のぼりに象徴されるポルトアレグレ総領事館は、絶対閉鎖して貰いたくないと願っています。届け我らが願いと鯉のぼりに祈りを送りました。


和田:前編だけで充分ではないかとうんざりされている方もいるのではないかと思いますが、もう少しお付き合い下さい。MASAYOさんがご指摘しておられましたが、実際に現地に住む地元民の声が聞こえて来ないとのご意見がありましたが、幸いサンパウロ新聞の後藤英樹記者が現地取材に来られ『菊のご紋を消さないで・・・』という連載記事を4回に分けて掲載しております。先ずこの後藤記者の現地報告を読まれてどう思われますか。

香西:なかなか難しい問題で、自分で何が出来るか考えましましだが、思いつきません。菊の御紋を消さないで・・・の感想ですが後藤英樹さんが新聞記事にお書きになっているように、日本外務省のスリム化と言うことでしょうが、私には外務省の不明瞭予算・無駄遣いの批判かわしと言う気がします。前にも言いましたが、国民の目に見え、克つ省内で抵抗の少ない方法が、領事館などの統廃合なのでしょう。
後藤さんの記事の通り、外務省はポルトアレグレ領事館の廃止を決めるなら、説得力のある客観的情報を示すべきだと思います。
新設を検討されている国・地域に必要なら新設したらよいと思います。その費用が如何ほどか分かりませんが、いま日本が行っている発展途上国援助の実態は実情に合わないもの、利権がらみで行っているものも有ると言われています。
外務省は、もっと全般的な見直し・改革を行う必要があると思います。
私たちは、外務省は勿論のこと他の省庁の活動についても、常に感心をもつ必要があると痛感しました。

桐井:香西さんのおっしゃるとおり、私も外務省はスリム化政策の一環として在外公館の統廃合を実施しようとしているように感じます。現在、必要な公館と不必要な公館を整理中で、その対象の一つがポルトアレグレ総領事館ですね。そこで、考えられるのが日系ブラジルの皆さんが如何に考えていらっしゃるかが重要なポイントだと思います。本当に必要ならば、多くの方々の署名を集めて外務省に提出すべきでしょう。要するに地元住民の皆さんの声が大切だということです。もし菊の紋章を消したくなかったら、相当頑張らなくてはならないでしょう。それにしても今回のテーマは私たち日本に住んでいる者にとっては余り縁がないので論ずるにはやや難しかった観があります。
その意味で幾らかでも理解の助けになればと思いインターネットで検索して見たら駐神戸韓国総領事館が大阪に統合 (神戸新聞2001年7月2日付けより)とのニュースがあり日本だけでなく外国でも同じような問題と取組んでいること、外務省では『外務省改革に関する小委員会』を作り提言を行っておりその提言の一つに「総領事館の国別設置状況の見直し(ex.米国、ブラジル等の総領事館の改廃)5年以内に総領事館の総数を60に削減し、その後はスクラップ・アンド・ビルド方式とする」事が明記されておりこれがポルトアレグレ総領事館廃止の公式方針として取り入れられているのではないかと思っています。

MASAYO:桐井さんがおっしゃるとおり、日頃の生活で領事館のお世話になったこともなくブラジルで暮らす日系の皆さんがどれほど不便に思われるかということが実際に想像できないものですから、どうもコメントがしにくいです。ただただ粘り強く住民の皆様がその必要性を署名陳情等の運動を展開されるよう見守っております。

和田:桐井さんは、なかなか勉強家ですね。現在外務省が何が何でもポルトアレグレ総領事館を閉鎖するという方針は、この『外務省改革に関する小委員会』の提言がベースになって推し進められているのですね。基本的に在外公館としての総領事館総数を60公館まで落としその後はスクラップ・アンド・ビルト方式に移行するとの提言により改廃を推し進めて行くとの事であればポルトアレグレを残すためには何所かを犠牲にしないと数合わせが出来ないと云う事になりますね。これではMASAYOさんが言われる粘り強い地元民の反対運動等は、何の役にも立たないということになるのでしょうか。続いて佐藤さんのご意見をお願いします。

佐藤:今日4月29日は昭和天皇誕生日で"緑の日"と名称を変えた国民の祝日、ゴールデンウイークの初日です。土日曜を挟んで5月3日-憲法記念日、4日-国民の休日、5日-子供の日まで連休が続きます。今朝の地元・大分合同新聞にこの"緑の日"を昭和天皇にちなみ「昭和の日」にしようという法案が自民・公明与党から国会に提出されていると掲載されていました。そして同じ大分県豊後高田市の「昭和の町」づくりのように、多くの国民にとっては昭和の時代に対する思いはひとしおのものがある・・と結んでありました。
今年のゴールデンウイーク期間中に海外旅行へ出かける人、国内の行楽地へ旅行する人々が例年より多く、日本の景気回復が確実に進んでいる表れだそうです。反面、年金制度改革関連法案で国会は大荒れ、7人の閣僚が国民年金の未納問題で政治家の意識が問われていますが、連休明け国会では多分衆院・参院で成立するでしょう。
時代の流れの中で色々な問題が生じ、議論がなされそして決定され、それが真に人々の為に繋がったかどうかは長い目で見ないと分からないと思いますが、往々にして時の政治家や権力者の考えで歴史が作られた事例もあります。ただ今回の「ポルトアレグレ総領事館閉鎖問題」に関しては現地の事情が分からない私でも、明らかに閉鎖すべきではないと思います。それを後藤英樹記者の「菊の御紋を消さないで・・」を読んで強く感じました。重複するかも知れませんが、あえてこの欄に抜粋を置かせて下さい。。。
@閉館の対象に揺れる ポルトアレグレ総領事館・・
ポルトアレグレ総領事館の管轄地域は、リオ・グランデ・ド・スール州、サンタ・カタリーナ州の二州で、日本の国土面積に匹敵する。現在、日本国籍を持つ人は二州合わせて約二千人、日系ブラジル人約三千八百人、人数からすれば、新設される公館より多い。同州の総領事館必要性において、牧昌次郎領事が「(1)ガウショの人的資質、(2)優良大学の存在、(3)全国平均より高い生活水準、(4)メルコスール市場における地理的な利点がある」と説明したことを考慮しても、なぜ、閉鎖するのか全く考えられない。
A身近にあって心強いもの・・
RS州には、日本、ドイツ、スペインなどの他、近隣のアルゼンチン、チリ、ウルグアイなど八総領事館および十二の領事館が設置されており、サンパウロ、リオ州に次いで多く、同州の重要性を垣間見ることができる。移住者も戦後移住者が九割以上であり、これから老齢化等に伴う諸問題および治安の悪化などによる問題なども抱え、総領事館を必要としている。また、各国とも、在留自国民に対するサービスの重要性を第一に掲げ、これに次いでメルコスールを考慮しての情報収集性を第二にあげていることからもポルトアレグレ総領事館は、廃止どころか拡張すべき公館と言えよう。  
菊の御紋を消さないで・・終わり
現在、ブラジルから約三十万人の日系人が就労のため日本に滞在している。社会的・経済的コストも日本人より少なく、韓国やフィリピンに比べ国内に感情的摩擦も少ないブラジル。 将来的視点に立って考えれば、ポルトアレグレ総領事館があることで、日伯をはじめ近隣諸国、ヨーロッパとの連携が期待できる。 

和田:難しい問題に真っ向から取組んでご意見を聞かせて頂き有難う御座います。お父様が外交官でブラジル勤務中にリオで生れたという経歴の持ち主でそのが長く丸紅ブラジル会社でサルバドール出張所所長、リオ支店長、ブラジル会社副社長として長年ブラジル勤務をしておられた内山勇さんからもご発言を頂いております。

内山:ポルトアレグレの総領事館が閉鎖されるかも知れないので、それを阻止したいと言う希望は、地元に長年住まわれている貴方にとっては、何とか阻止したいと言う気持ちは判りますが、客観的に見て世の中の趨勢は、利あらずで結局閉鎖になると思います。貴地で出稼ぎ者の旅行を斡旋している旅行社にとっては、渡航手続きの手数料を考えるとクリチーバまで一々行かねばならないので、経費増となる事は否めないが、それも甘受せねばならないでしょう。数十年続いた総領事館を何故今閉めるかと憤慨する気持ちは尤もですが、世の中には100年続いた企業でも潰れる時は潰れます。
小生はブラジルと日本の関係は、数十年に亘り、体験或いは観察して来ましたが、今や両国関係は、矢印がブラジルから日本への出稼ぎ時代となり、1950年代、1970年代の第一次、第二次ブラジルブームの第三次は無いと思います。
今日の日経紙の一面にブラジルが、中国、インド、ロシアと組んでBRICSなる世界の第三の強大グループを結成し、その旗振りをしており、5月にはルラは中国、インドを訪問するが日本へは寄りもしないと言うが、此処で良く考えなければならないが、では日本に訪問して如何なる話題が有るか?と言われれば、今やUsiminas,石川島の時代は終了し、あと何が残っているか?何も無いのではないか?先日ブラジルのアモリン外務大臣が来日したが、テーマはVarigの直行便の中継地としてスイスを希望したが、JALのルートとの関係で、日本政府は色よい返事をしなかったと言う。その程度の議題しかないのが、現在の日伯関係だと言える。そこで、小生は貴地の日系人に移住100年祭には何をするのか?大体今になっておらが県の県人会館を母県の資金援助で建てると言う時代錯誤をやっているらしいので、それこそ在伯日本人会と言う日本を代表する一大組織に集合する動きに切り替える運動をすべきで、サンパウロの郊外の広い土地に日本を紹介する様な、総合施設を建設する、資金は各県人会の持っている資産を売って一本に纏める、そういう運動を起こすべきだと言う事を日系新聞の記者に言う事をお勧めします。

和田:流石ブラジルに長い経験から滲み出る卒直なご意見、有難う御座います。内山さんのご意見に対して何方かコメント御座いませんか。

佐藤:内山さんのご発言興味深く聞かせて頂きました。そのご経歴からブラジル社会の現実を熟知された上での御提言と思います。そして感じたことは、今の日本外交と同じ観点で見ておられる・・言い代えれば常に国益優先(商社で言えば最終的には利益でしょうか)のお考えと思いました。
大局的に見て内山さんのご発言の方向であったとしても、現在和田さん初め関係者の方々が現地でポルトアレグレ総領事館の存続を訴えておられます。この事は非常に大切な事だと考えています。その既成事実の積み重ねは、たとえ成らなかったとしても決して後悔されるものでもなく、こうだあーだと言うよりも今何をすべきか・・存続運動を行っている事が一番なのではないでしょうか。そして残された時間は少ないと思いますが、やはり現地邦人の皆様が連絡を取り合って(距離的に難しいかも知れませんが)訴え続けて欲しいと思います。例えが適切でないかも知れませんが、ダーウインの進化論の「自然選択説」に比べ、ウォーレスの「生物お互いに助け合って進化するという共生論」がこれからの社会ではないかと思うのです。

内山:現在日本では先日のイラクから救出された連中の自己責任論が話題になっていますが、確かに大使館勧告で危険地帯には行くなと言う状況下でも敢えて行ったと言うのは無責任だと言うのはその通りだが、フリージャーナリストとかカメラマンは、危険地帯に態々入り込むのが使命だと思っている人達なので、彼等の考えは理解は出来るが、国民の税金を使って救われたのだから金銭的な負担は当然だと思うので、自己責任論議がどうなるか、今後の動静は興味あります。人はそれぞれ違う意見があっても良いと思うので、貴方の場合も自分の思ったようにやって良いでしょう。

和田:イラク問題も是非このバーチャル座談会で取上げたいテーマの一つですが、今回は、ポルトアレグレ総領事館閉鎖問題に絞らせて頂きたいと思います。ではブラジルサイドのご意見を聞いて見ましょう。

山下:ポルトアレグレ市の重要性は、メルコスールに対する地政学的に見ても、都市圏人口順位から見ても、むしろクリチ−バやレシフェよりは上である。左翼のブリゾラ知事のころから連邦政府には予算的に干されており、最近もフォードが工場建設を、知事と喧嘩して他州に変更するなど不運が続いているが、人的資源の豊富を含め国内では底力を有しているので、日本政府の判断は間違っている。
経費的な問題でどうしても閉鎖するのであれば、今の時代なら一部屋のみ残してバーチャル領事館、銀行のATMのように、機械の前に座ると東京か、クリチ−バとテレビ面談が出来るような手は無いのだろうか。地元の人がしっかり管理するからと申し出れば良い。

和田:山下さんのご意見は何時も時空を超越した発案で面白いですね。現在のポルトアレグレ総領事館の建物は、日本国政府の物であり日本国民の税金により購入したものです。買うのは簡単ですがこれを売却して代金を日本に持ち帰ることは非常に困難であり(当然ブラジル官憲の許可がいる)総領事館が引き上げてもこの建物は地元の南日伯援護協会等の日系コロニアのお城として残しておいて貰いたい日本政府の財産です。
次にサンパウロにお住みの赤嶺さんのご意見を聞いてみましょう。

赤嶺:本日付けのサンパウロ新聞の社会面のトップ記事として「菊の御紋を消さないで 閉鎖の対象にされる ポルト アレグレ総領事館」を主見出しに立て、又、「存続祈る地元日系社会 安易な新設 閉鎖の机上論」を中見出しに、長島 浩平総領事の二段写真入りで、貴兄がこれまで取り組んで来ていらっしゃる在ポルト アレグレ日本総領事館廃止問題に大きな報道のスペースが割かれています。取材記者は、後藤英樹記者です。本日が報道シリーズ第一回目とわざわざ銘打っていますので、同新聞社としても、異例の本腰を入れてこの件に取り組む構えのようですね。道は遥かに遠いと存じますが、ご自愛の上、所期のそれなりの成果を是非挙げられますように、及ばずながら一緒に応援して差し上げたい気分で一杯です。
サンパウロ新聞に掲載されている在ポルト アレグレ日本総領事館の存続問題に関する連載記事をその後もずっと興味深く読んでいます。新聞社で働いたことはあっても、社会部記者の経験のない小生に知ったかぶりのあまり大きなことは言えませんが、貴地で取材に当たった後藤記者は、公館と地元民との関わり合いなど、こういう時のルポの定石をちゃんと踏んでいるように見えます。これから池田前大使(後任の新大使が既に日本政府から発令されているので、こういう呼び方でいいのでしょうか)とのインタヴュー記事も出るそうですが、ある程度踏み込んだ発言が聞けるかどうか、個人的にも非常に関心のあるところです。
ここのある有力週刊誌で、ブラジル国内で影響力を高めつつあるコーポレーション(共同体とか機関)は、確かNGOの組織、宗教団体、それにマスコミ、だと読んだように記憶しています。政党の類は、間違いなく落ち目か斜陽だそうです。影響力を行使できるマスコミ機関に、邦字新聞が含まれるかどうか就いては、良くは知りませんが、一旦、打ち出された日本の政府関係の既定方針が和田さんたちの働きかけでもし一転して覆される契機になるとすれば、痛快極まりない、とても画期的な出来事になりそうな気がしますね。是非そのお手本を示して下さい。

和田:赤嶺さんの暖かいエール、大変嬉しく思います。結果はどうあれ最後まで阪神タイガースのネバサレ精神で頑張ってみます。
次にブラジル国内で総領事館のあるアマゾンの河口にあるベレンにお住いの佐藤卓司さん(東京農大卒)にもご意見を伺って見ました。

佐藤:和田さんから、領事館の問題を問いかけられて、はたと困りました。ベレンに領事館があるのが、当たり前のことのようになっていて、特に考えたこともなかったからです。
では、この総領事館がなかったら、何か不便があるかと考えますと、まずはブラジル人の日本ビザ申請、我々日本人のパスポート発給、それにたまに在留証明が必要になる場合が頭に浮かびました。どうも、これしか頭にすぐ浮かばず、もうちょっと考えてみました。
次は、よく領事館の草の根援助が地元の新聞にのりますが、これは日本政府が当地に貢献してくれている日本人に対するいいイメージの一助になっていることでしょう。
3ヶ月毎に、日系団体、企業を召集し、安全対策連絡会というのも領事館が召集しています。必要な場合は、領事館より当地の官庁に邦人の安全に対する要請も可能です。MSTからの農地侵入で、領事館を通じた州政府への保安要請もできるのではないでしょうか。
いろいろあげれば、あったほうが良さそうですが、経費対効果では、評価は厳しくなるかもしれませんが・・・
認識不足だと思いますので、こんな隠れた貢献をしているのですよということでもあったら、教えていただけますか?

和田:ベレンの総領事館がなくなるなどとは考えも及びつかない。あって当然との佐藤さんのご意見は、羨ましい限りです。お仕事でRS州のウルグアイとの国境の町リブラメントでワイン工場の責任者として勤務されガウショの息子さんをお持ちの東京農大卒の木戸政行さんからもご意見が寄せられています。

木戸:ポルトアレグレ総領事館閉鎖は残念ですね。時代の流れで片付けられてしまっては困りますね。
日本に戻りまして、8年になります。日本はこの10年で大きく変わりました。バブルの崩壊後、日本経済は変革を必要とし、ルストラクションは国民の生活も大きく脅かし、変えてしまっています。民間企業の従業員や一般の国民を見ていますと、ここ数年で貧富の差が大きく現れていると思います。長く働けば給料は上がるものという固定観念も今ではもう通用しません。食えない民がでるというのも時間の問題だと思います。失業率は既に6%を超えて、今では、地方都市にも職にありつけない浮浪者が大勢おります。
こうやって見ていますと、海外に職を求めたり、事業展開を企業が現れる時代が再来することも考えられます。
こう考えますと、日本国としての海外拠点の維持継続はとても重要なことだと考えます。
同総領事館は1960年の設立ですね。43年間の貴地での存在は日本国民の大きな財産だと思います。相互の人脈、信用はこの長い年月がつくりあげたもので、これを一瞬にして無くしてしまうのはとても簡単なことすね。
私の、息子はリオ・グランデ・ド・スール生まれです。両国で生活を経験し、今でもブラジル国の永住権を所持しており、両国を往復しています私にとってはとても残念でなりません。
この地域に関わった私達日本人やブラジル人の努力を無駄にしないでほしいと思います。

和田:木戸さんとは一緒に南伯日本商工会議所のゴルフ大会でプレイした仲間であり息子さんの日本国籍留保の手続きもポルトアレグレ総領事館でされただけにその必要性を強く感じておられるお一人で【この地域に関わった私達日本人やブラジル人の努力を無駄にしないでほしいと思います】は、説得力があります。次は、カナダのトロント市に在住の丸木さん(大阪府立大学卒、元ブラジル移住者)のご意見です。

丸木:新設される領事館もあれば、閉鎖される領事館もある。時代の趨勢とはいえ恐ろしい現実です。
ここトロントのブラジル領事館の家具類は閉鎖されたフィラデルフィア領事館から移送されたと聞き及びます。
恐ろしいというのは例えば今、日本の国会で問題になっている年金です。毎年、トロントの日本領事館で在留証明を出してくれるので、日本のデフレでドル建ての受領額が下がるとはいえ、有り難く受け取ることが出来ます。もし、この領事館が閉鎖されれば、一体どこでどのような手続するのか見当もつきません。イラクのように外交官殺害や邦人拉致があれば、領事館が存在価値があるのではなく、それを未然に防いでいる、ポルトアレグレ領事館こそレゾンデトールがあるのではないでしょうか。

和田:サンパウロ新聞を読まれた以前、南大河州に住んでおられた現在リオ州ペトロポリス市にお住みの松隈淳(66歳)さんからのご意見を披露させて頂きます。

松隈:サンパウロ新聞の「菊の御紋を消さないで・・・」を有難く読んでいます。サ紙にとってはニュースの少ないリオグランデ・ド・スール州の価値を取り上げて、記事にして戴いた後藤記者に感謝しております。私にとっては、1961年に最初の、そして最後の独身者分益農として、ブラジルでの人生をスタートした者にとって、特別の意味がある。私の第2の生れ故郷です。教育度の高いガウーショの人達に助けられて、人間的に成長し、日本にとどまって居たらすることが出来なかったような、すばらしい人生の経験をさせてもらいました。最後にもうひとつ、サ紙では、リオグランデドスール州と書くときは、カタカナで、又は、RS州とプリントしてありますが、昔(?)は、南大河州と書いて、字数をすくなくしておりましたが、あの州名を書く際には、便利だと思いますが...
とにかく、ポルトアレグレ日本総領事館がなくならないよう祈っております。

和田:最後に【菊のご紋を消さないで・・・】を書かれたサンパウロ新聞の後藤記者にもご発言頂きたいと思います。

後藤:ポルトアレグレ総領事館存続問題は、同総領事館が管轄するリオ・グランデ・ド・スール(RS)州、サンタカタリーナ(SC)州の住民(日系・非日系)の問題だけではなく、日本の国益そしてブラジルの国益においていかに大切かということを、日本政府に考えて頂きたい。
外務省のスリム化政策の一環として、実績のある在留公館が閉鎖に追い込まれている。
今回、取材に応じてくれた長島浩平ポルトアレグレ総領事は、日常の業務について「日系社会、商工会議所、ブラジル政財界から、いろいろお誘いがありますが、なかなか忙しくて、行きたいのですが行けないんですよ」と話してくれた。
利用価値が無くなったのなら、閉鎖は自然な流れといえようが、メルコスール(南米経済共同市場)の中心であり、経済・政治・文化面においても、今後、ますます期待できる。
今回、現地取材(四月四日〜七日)および池田維前大使(四月十六日)に取材させてもらったが、本省(日本政府)以外は、全て同総領事館存続を希望しているのが実情だ。
今後、ポルトアレグレ総領事館が継続あるいは廃止されるにせよ、日本政府の明確な回答を今後とも本紙では取材していく。
 
和田:最後の締めに後藤記者からのコメントも頂き、何とか皆さんのご意見を纏めることが出来て嬉しく思います。ご発言頂いた皆さんに厚く御礼を申し上げます。次回は、世界の祭典、アテネオリンピックをテーマに色々楽しい語らいが出来ればと願っておりますので宜しくお願いします。



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