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「日本国定年退職者伯国移住計画案」アイデア提唱=伯国で悠悠自適な生活を=日本の年金生活者を呼ぼう(続き)
寄稿集326番目に学移連(海外学生移住聯盟)のメンバーの一人兵庫農科大学卒で現在兵庫県人会副会長をしておられる岸本晟さんの書かれた掲題の「日本国定年退職者伯国移住計画案」がアイデア提唱=伯国で悠悠自適な生活を=日本の年金生活者を呼ぼうとの記事でニッケイ新聞に紹介されており掲載させて頂いておりますが、同計画案の続きとして下記に掲載します。同じ学移連のメンバーである徳力啓三さんも同じような発想で日本のシニアーの皆さんをブラジルに迎えての【夢ベテランの里】建設計画を打ち出しておられ(寄稿集第397番目に掲載)興味のある所ですが、シニアーの皆さんをお迎えする事に異存は有りませんが、若い人達にも移住と言う枠、範疇がなくなった現在、もっと広い意味での人生の一つの選択としてブラジルを選べる方法(永住権取得問題)を法的に可能にさせる方法等の模索も必要ではないかと思いますが如何でしょうか?
写真は、今年の新年会で撮らせて頂いた岸本さんです。


W. 成果に向けての若干の制約的条件と考察
1. 自己責任で生きていくことの勧め
      日本では国と地方の長期債務残高が693兆円(2002年度見込み)という巨額に なり、経済や財政が危機的な状況に追い込まれ、これらの大幅な見直しが必要であると の認識から改革が進行中である。
 1973年の老人医療費支給制度により70歳以上(寝たきり等は65歳以上)の老人医療無料化されたが、1990年代に入って財政状況が悪化し、70歳以上でも1~2割り負担に改定されたのも、その一つの現れである。
 従って各個人も自己責任で生きていくことを今まで以上に求められているといえるのではないでしょうか。
 そこで日本人定年退職者の皆さんにかけがえのない第二の人生では、覚悟を決めて自 己責任で緑の大国ブラジルを安住の地として、悠々自適な生活をするために移住される ことを人生の選択肢の一つに考えてみては如何でしょうか。
 戦前移民そして戦後移住者は、自己責任で人生をブラジルの地で人生を切りひらいて
きましたが、その私達が日本人定年退職者の皆さんを喜んでお手伝いします。
2. 恩返しの精神で
     戦後移住者は、戦前移民が築いた基礎の恩恵を多大に受けてブラジルの大地 に生かされ、ブラジル人のおおらかさに救われて50年を歩んできた。更に、戦前、戦後を問わず、海外の我々日本人は、祖国日本が発展繁栄し、そのエネルギーを有形、無形の恩恵を受けてブラジルで生活してきた。例えば、JICA(独立行政法人国際協力事業団)を通じて日系コロニアは多年にわたり物心両面の援助を受けてきている。また各県人会は母県からの補助金により存続しているし、県費留学や研修制度の経費にしても、祖国日本の繁栄発展に渾身の力を振り絞って精魂を傾けてきた、今言うところの定年退職者達の稼ぎから出たのではないだろうか。そうとすれば「日本国定年退職者」は、実はブラジルに永住権を持つ我々日本人の大恩人ではないのか。
 日本から自費で横森正樹氏が來伯し、2003年11月に文協講堂で、「みなさん、世界に目を向けて下さい、農業は儲かる!そして将来性がある!」と講演され、還暦を機に 「これからの人生は恩返しです」といわれたのが心に残っている。
 さて、そこで「日本国定年退職者」の皆さんに恩返しの思いを込めて、ブラジルで第 二の人生を自己責任で切り拓くことを提案したいと思います。そしてブラジル永住権を 持つ日本人と日系人は共にブラジルで生活するノウハウを彼等に喜んで提供します。
 更に、日本国定年退職者がブラジルに定住すればブラジルには、住宅、食料、医療、 介護、旅行会社等への雇用も生じ、日本語を通して日系人コロニアが活性化され、逆に、ブラジルに永住した日本国定年退職者によりブラジルの各種のニュースが日本に伝わ れば、日本が活性化されることにもなるのではないか。
「日本国定年退職者伯国移住」実現すれば、移住者、日系人コロニア、ブラジル社会そ して日本の四方に良い結果を生ずることが考えられる。
3. ブラジルの魅力
   日本国定年退職者へのブラジルの魅力を思い付くままに列記してみると下記の通 りである。
*天災が少ないー地震、台風がない。
*気候が温暖—厳しい寒さに対するストレスがない、そして衣料費が安い。
* 食料が豊富—果物、野菜、穀物、肉類も美味で安価。
* 豊かな自然—熱帯、乾燥地帯、セラード(潅木地帯)、大湿原、温帯あり。
* 豊富な観光資源—アマゾン流域に始まり自然的、歴史的観光地多数あり。
* 日系人社会—ブラジル社会に信用される日本の財産である日系人の存在。
* 多民族国家—ブラジル人は各民族固有の文化を互いに尊重する。
* 火葬場—ブラジルには日本から種々の修養、社会教育、宗教団体があり、精神生活、
  宗教生活が日本語で可能。死亡時にはサンパウロ市には火葬場も利用出来る。仏教寺の納骨堂もあり永代供養が可能である。
4. 本計画実現に対して考えられる問題点とその対応策
問題 1:「日本国定年退職移住者がブラジルに定住してもらう為に、組織的な 取り組みが必要になってくるが、誰が主体になるのか」が、F君の質問である。
   対応策: 現在日本政府はブラジルへの移住業務はやっていない。そうとすれば既存の組織を活用するのであれば、ブラジル側では文協が組織的に日本とブラジル政府に働きかける主体となるのが最適ではなかろうか。
 この点については、ブラジルと日本との政府間折衝が将来重要になってこよう。フィリッピンのようにブラジルが退職高齢者定住計画を国家的戦略と位置づけて「ブラジル退職庁」が設置されると解決するのでないか。
例えば、現在1670万人の日本の高齢者が、今後の老後の生活に不安を感じており、その一部の10万人の退職者がブラジルに永住し、月額US 2000 ドルの送金を受けるとすると、年間 24億ドルの外貨をブラジルは得る事になる。
ブラジルの年間輸出総額800 億ドル、輸入総額が600 億ドルその差 200億ドルが外貨としてブラジルに残っている。今、日本在住の日系人デカセギ者が年間20 億ドル送金しており、もし年間 24億ドルの送金を定年退職永住者がブラジルで受け取れば、日本からの送金総額が44億ドルにもなり、ブラジル国家収入純益の20%ということになれば国家戦略と位置付けた「ブラジル退職庁」設置をブラジル政府に売り込んでもよいのでないか。 何故ならば、「日本国定年退職移住者計画」が実現されると、将来の日本人高齢者数の推移から見て、その実施年月は10~30~50年の長年月におよぶものと考えられる。そのためには、「日本国定年退職者」にブラジルが何を提供出来るかを深く、幅広く検討、研究すべきである。
 2025年には3473万人の高齢者が日本にはいると予測されており、「ブラジル退職庁」の必要性は将来においても要請されていると考えられる。
 他国については資料不足であるが、ヨーロッパ国民の一部にもそういう要望があるとすれば、他国のコロニアにも呼び掛けても良いのではないか。
 フィリッピン余暇退職庁は2002年秋より、在住者向けの専用サービスデスクを設置し、週7日・24時間運営の生活支援サービスを開始。通訳・法律・観光交通・その他、生活に関わるあらゆる情報提供と相談に対応しており、日系社会も協力すればブラジルも出来ないことはないと思う。
 なおブラジルに住宅を購入して移住してくる日本人定年退職移住者には、受領年金月額US 1500 ドルでも良いと交渉することも出来るのではないか。      
 問題 2:「電話すれば15分で救急車が来てくれ、信頼に足る警察のいる安全、安心の日本社会から高齢者が不安、物騒なブラジル社会に本当に適応できるのか。むしろ日本で安心して日本語の通じる日本で多少の不自由を忍んでも生活するのが良いので無いか、ブラジルに移住する高齢者を不幸にするのでないか。」              
対応策:ブラジルには、ブラジル日本文化協会(文協)、ブラジル日本都道府県人会連合会(県連)、各都道府県人会、老人クラブ連合会、そして各地日本人会が存在、活動しており、かなりの部分に対応出来るのでないか。
 ただし定年退職者には自己責任を負うという覚悟をして永住してもらう最低限の必要 がある。
 そのために退職前から御夫婦あるいは1人でブラジルを体験してもらう必要があり、 各県人会は喜んでそのお手伝いは出来ると思う。
      問題 3:「集団の日本人高齢者村のような施設を作ると目立つので強盗等の被害の対象になりやすいのではないか」
  対応策:「先駆的に日本人向けの滞在型の宿舎を提供しながら、それらの人をその地に定住させてゆくような方法が良いようです、しかしブラジルの治安についても不安があり、いまのところ難しいのではないかと思っています」、とはF君のその後の便りです。難しいとは出来ないというのと同意語とすればこの文案はこれで終わりになります。
 しかし楽観的に考えると、滞在型の宿舎(県人会館の宿舎も含まれるのでないか)やホテルにしばらく滞在しながら、例えばサンパウロ市内の地下鉄駅近くの既存のアパートを購入すれば、さりげなく日常生活ができるし、アパートの購入や日常生活の相談には各県人会もお手伝いできるし、また他の日系人団体も支援出来る。個人レベルで、知人や兄弟、親戚が移住していてその人の関係でアパートの購入や日常生活の相談にのってもらっていることもあろう。さらに商社駐在員でブラジルを良く知り、定年退職後に永住した人もいるでしょう。
         問題 4:「高齢者にとって医療が最大の関心事であるので、日本語で応対してくれて、良心的価格の医療が受けられるか」
       対応策:人は生まれてきて、やがて死んで行きます。これはさけようのない事実です。しかし健康を維持し、長生きし、質の高い生活を送る事が望ましい姿です。
 21世紀をむかえ、「予防医学」の考え方が大事になっています。病気になってから医師や、病院にたよるのでなく、病気にならないよう「自己責任」で「自己管理」をすることです。この考え方が「予防医学」です。
 東洋医学の考え方に「未病(みびょう)」という言葉があり、「未病」とは「病気に向かう状態」、「まだ病気になっていない状態」、または「病気予備軍」を指し、この未病の時期を捉えて治すことの出来る人が、医療者として最高人(聖人)であると中国の2000年前の医学書に書かれています。
 日本未病システム学会では、「自覚症状はないが検査では異常がある状態」と「自覚症状あるが検査では異常がない状態」を合わせて「未病」としています。また東洋医学では精神状態を重視し、心と体の歪みが病をもたらすと考えます。人体には肉体的恒常性、要するに常に体内の環境を一定に保とうとする力(ホメオスタシー)が働いていて、人体には自然治癒力が備わっています。
 サンパウロ市には日系の3校の鍼灸指圧学校と2つの鍼灸指圧マッサージ整体振興協 会があり、サンパウロ市内だけでも鍼灸指圧を開業している人数は推定で7000人いると いわれている。彼等の活用により予防医学的にこの自然治癒力を高めることが考えられます。
 また「医食同源」、「食は健康の源である」との言葉がありますが、医療費の軽減を図る意味からも、豊富な食材を生かした均衡のとれた食生活を実践し、ブラジルに豊富にあるプロポリス、ガジュツ、アガリックス等の健康食品の利用も考えられます。また「個人健康保健プラン」(プラーノ・デ・サウーデ)も価格面で関係機関が良く研究する必要があります。いよいよ病気になった場合には、サンパウロ市にはサンパウロ日伯援護協会日伯友好病院、日系のサンタクルース病院、前コチア組合のSBC病院等の日本語の通じる病院があります。またサンパウロ州政府や市に対し日本人定年退職者移住者への特別医療チームを編成してもらうことも考えられます。
5. 緑の大国ブラジルを日本人定年退職者の安住の地に!
     日本に比べて物価の安いブラジルでは、日本人定年退職移住者は、経済的心配から解放されることになります。特別贅沢しなければ更なる安心のために貯蓄も可能であります。ブラジルの日系人そしてブラジル人は日本人定年退職移住者に尊敬の念をもって接するでしょう。そこには暖かい友情が生まれ、交流が始まり、新しい文化を創造することになり、ブラジルを第ニの故郷として安住の地を得ることになります。ブラジルは広大で熱帯から温帯まであり、日系人はブラジル全土に居住しており、ブラジル国内旅行を通じて住む場所も自由に選択できます。
X. 具体的予備措置
1. ブラジル政府に対して原案の特別措置を求める
    a.ブラジル側の世話役機関設置
   本計画が実現する場合、ブラジル国が日本国定年退職移住者の受け入れに当たって、フィリッピンのように、退職移住者の受け入れを国家戦略と位置づけ、仮称「ブラジル退職庁」を設置して迅速に査証の発行し、在住者向けの専用サービスデスクを設置し、週7日・24時間運営の生活支援サービスをしてもらい、定年退職移住者への通訳・法律・観光交通・その他の生活全般に関わるあらゆる情報提供と相談に対応してもらう体制作り。
2. 日本政府に対して原案の特別措置を求める
    a. 日本側の世話役機関設置(海外日系人協会?)
   独立行政法人国際協力事業団(JICA)が移住業務をやっていないので、移住手続き業務を代行してくれる機関が必要である、それに例えば海外日系人協会が適当であるかどうかは日本政府の決めることである。
b. 「日本移民」が日本の年金支給を求める声
ブラジルへの戦前、戦後を通じての一世の移民は高齢化しており、日本からの年金支給が実現されることを願っている声が根ずよくある。日本人移住者は高齢者になり、その多くが厳しい経済状況にある。サンパウロ日伯援護協会による、ブラジル日系社会高齢者実態調査(要介護者老人実態調査2003年10月)によると、対象は65才以上のサンパウロ市及び近郊に限定した5000人のうち4750人、95%の回収率であった。この関心の高さの一つには、老後の生活に対する経済的な不安に起因するものである。
 高齢者に対する保護政策が非常に遅れている当国において、日本国籍の高齢者は、母国の高齢者が老人福祉や年金により手厚い保護(ブラジルに比べて)を受けている現実を見るにつけ、自分の老後に対して不安を感じている意見が多い。そして老人ホームやデイ・ケア・センターでは、「安価」で、「交通の便が良く(メトロ周辺)」、「日本語のサービスが受けられる」福祉システムの樹立を切望する声は大きいようである。また、一方で、日本政府からの年金受給を願う声は、最も高く、強く、そして大きい。その声の一つ、「現在のブラジル国の生活環境では、不安がないという者は、老若に限らないと思います。特に、我々一世60~80代の者は、戦前戦後と苦しみの中を生き、農業移民として渡伯した者が大半です。当時の日本としては、我々の移住は一つの国策といっても過言ではないと思います。言い換えれば、棄民同様としか思われず、頑張ってきたのに報われない人がいっぱいです。せめて、70才以上の一世には、仕事上やむなく帰化した日本人も含めて、日系人への年金制度があってもいいと思います。」これらの意見は、日本で整備されてきた老人福祉制度、医療制度、年金などの社会保障制度をブラジルにいても享受して老後に備えたい、という日系高齢者の切なる希望のあらわれであろう。実際に、日本からの日本国定年退職移住者が実現し、年金受給者としてブラジルで豊かな生活を享受するとしたら、大多数の日系高齢者に生活水準の不平等感が生ずる恐れがある。この不平等は理屈として理解できるとしても心情的には同情だけでは解決しないとして、ブラジルに移民した「日本移民」という集団としての老いに対する配慮を日本政府に「日本移民」の心情として悲痛な思いで要望しているものである。
 その根底にある要望の根拠として下記の5項目を考えてみた。
 ⑴-我ら日系高齢者は日本の国策に協力して移住し、日本の過剰人口の解決に協力した。
 ⑵-我ら日系高齢者は中南米諸国の中心的存在であるブラジルで生産活動を通じて、ブラジル人から強い信頼と友情を獲得し、日本との強い結びを可能とした民間外交官として貢献した。
 ⑶-日本では製造工業を支える外国人労働者としての日系人は必要不可欠な存在になっている。「デカセギ者」夫婦を日本に送り、その子供を養育しているとか、留守宅や留守農園をデカセギ中の息子や娘にかわって守る「日本移民」高齢者もいる。その現今の日本の産業を支える労力源としての「デカセギ者」を「日本移民婦人」は自分の腹を傷めて生み育てた。その「デカセギ者」を通して「日本移民婦人」は日本の国益に貢献しているといえる。 
 ⑷-「日本移民」はブラジルを農業生産立国にすべく多大の実績を積み上げ、大豆をはじめとする植物タンパク、動物タンパク等の日本への食料供給基地ブラジルを作り上げた立て役者であると自負しており、母国「日本」の食料安全保障に関わる国家戦略上の重要案件に貢献している。
 ⑸-日本企業進出の際には、「日本移民」を通して進出を好意的にブラジルに受け止められ、しかも優秀なバイリンガルの二世を提供して協力し、日本の国益に貢献している。以上述べたように「日本移民」はこれだけの貢献をしてきたのではないか、日本国政府は、これらの「日本移民」の貢献を率直に認めて、「日本移民」の高齢者にそれだけの対価を与えてもよいのではないか。
 むしろ「日本移民」は権利として日本政府に主張を働きかける時期に来ているとも言えよう。            
 「日本移民」は棄民から貴民へと自己変革を重ねて今や100年を迎えようとしている。「日本移民」の日本への経済効果を学術的に研究する学者がいるとすれば、きっとその結論として「日系人への年金制度」は当然ではないかとされると思いますが、如何なものでしょうか。
 更に今年7月に予定されている参議院選挙に立候補予定のパラグアイ在住の高倉道男 さん(63、日系ジャーナル社主)の主張している中に、「在外者への老人福祉金の支給実現」がある。海外移住者の権利実現ということでブラジル在住日系人のみの問題ではなく中南米全域の日本人海外移住者の問題であり、在外選挙人登録を呼び掛けており連携して取り組むのも一法である。
3. ブラジル日系社会が原案に対して取り組む課題
    a. 「日本人定年退職者と日系人高齢者の支援と救済基金の設置」
  日系人社会は 「日本人定年退職者と日系人高齢者の支援と救済」を実行するについて、健康な状態が長く続く事を願って這いますが、 人は加齢を重ねると、予想外の思わぬ出費、特に医療費に大きな出費があることに直面する。十分な貯蓄が各人にあれば問題ないが、そうでなければその対応策として「日本人定年退職者と日系人高齢者の支援と救済基金」が設置されていれば解決出来、日本人定年退職移住者と日系人高齢者に安心を与えることになる。財源は積立金でまかない、受益者である日本人定年退職者と日系人高齢者とその賛同者が主体となり、その基金の管理は日系人社会の総意により選出された専門家が行う。 
 日本人定年退職者が日本に生活しておれば、介護福祉が受けられる。それには日本政府は経費が必要である。しかしブラジルに移住すれば、その分日本政府の出費が少なくなる。そこで福祉経費を必要としなかった金額の一部を日本政府から基金に協力をお願いしても良いのでないか。
 日本進出企業にも応分の協力をお願いすることも考えられる。
 更に日本デカセギ者にも協力をお願いしても良いのではないか。
Y. 日本人定年退職者伯国移住による波及効果
1. ブラジルへの経済効果(新しい雇用の創出)
     日本人定年退職者の1人がブラジルに来て、もしブラジル人1人の雇用を創出すると、10万人の日本人定年退職者移住が実現すれば、10万人の雇用を創出することになる。
  さてブラジルでは新しいビジネスとして高齢者産業を唱える人がいる。     
  高齢者産業とは、営利目的の民間企業がシルバーサービスと銘打って福祉分野で、衣食住その他高齢者の生活に関するビジネスを幅広くとらえてシルバービジネスともいい、極言すれば福祉サービスの商品化である。日本では介護、入浴サービス、福祉機器製造、住宅、車、家庭電化製品、食品、ファッション、金融から余暇産業までと幅広い。このように高齢者の消費は一般世帯とは異なり、生鮮食料品、保健医療、通信、娯楽、交際費の比重が大きい。 
 思い付くままに「日本人定年退職者移住」が実現した場合のブラジルへの経済効果を列記すると下記の通り。
* 1.滞在型の宿舎—日本人向きの設備を持った宿舎の需要。
*2.住宅産業—日本人の感性に答えた住宅の需要。
*3.介護産業—高い技術を持った日本語を理解する介護士が必要になる。
*4.医療—日本語の通じる病院の需要が高まる。
*5.航空業—日伯間の旅客増。
*6.観光産業—国内旅行でホテルや従業員の需要。
*7.旅行社—日系旅行社は日本への旅行、国内観光旅行の需要。
*8.食料品—品質の良い野菜、果物や日本食品、健康食品への需要。
* 9.日本料理店—新鮮な魚貝類の需要。
*10.日本語学習塾—日系人と非日系人に日本語学習塾の需要。
*11.ポルトガル語学習塾—退職永住者に対するポルトガル語学習の需要。    
* 12.金融業—銀行業務の需要。
 更に今、日本にデカセギに行っている日系人は、日本と日本人を理解してブラジルに 帰国してくるので、日本人定年退職高齢者を理解出来て、ブラジルとの橋渡しとして、相互扶助的に雇用を提供出来るのではないか。
     2. 日本の活性化
        日本人定年退職者は、時間的余裕が十分あり、当然ブラジルの各地へ旅行し、直に肌に感じたブラジル情報を日本の知人、友人や親戚に発信するでしょう。そうすれば新しい、正しい、生のブラジル情報、観光情報等が日本人に伝わり、新しい驚きを日本人に与え、その事が日本と日本人の活性化に役立ち、ブラジルへの認識を新たにし、ブラジルの良さを求めて日本からの観光客を増加するのに役立つ事でしょう。
Z. おわりに
    1. 世界は近くなっている
        世界は交通手段の発達により航空運賃の低廉化、高速化して世界は益々近くなりつつある。
 またインターネットのように通信手段等の進歩、発逹により、廉化で瞬時に送信できるようになり、衛星テレビ放送で日本や世界中のニュースを見られる。日伯間の飛行時間が今24時間であるが、将来さらなる短縮も可能であろう。 
 ブラジルは日本からは地球の反対側であるが、距離感がなくなりつつあり、世界は更に近くなっていく。
    2. アイウエオの準備と新GNP
        日本のマーケッテング・コンサルタントの西川じゅうりん氏は、事業や商品にはアイウエオ精神が必要という。則ち、ア(遊び心)、イ(癒し)、ウ(旨い)、エ(選ばれる)、オ(おもてなし)である。また今、我々の求むべき事柄は、国民によって生産された付加価値の合計であるGNP(国民総生産)の高さではなく、新GNP、G(元気)、 N(長生き)、P(ポックリ)を勧めていて、心と体が元気であり、中身のある人生を送ることを提唱されています。
 ブラジルに住む私達には、日本の定年退職移住者へのアイウエオへの心と実現への準 備が十分出来ると確信しています。そして私達移住者個人が、何かお手伝い出来ることを考えて、ボランテア精神で実践に移されることを期待します。
 新GNPを実践しょうとする日本の定年退職者の皆さんには、勇気を奮い立たせ、自立 と自己責任の精神で、覚悟して希望を持って、ぜひ緑の大国ブラジルを安住の地として新GNPと中身のある人生を送られることを実現して下さい。
  
                    平成16年(2004)年2月
                    
                              岸本 晟





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