HOME  HOME ExpoBrazil - Agaricus, herbs, propolis for health and beauty.  Nikkeybrasil  編集委員会  寄稿集目次  寄稿集目次  通信欄  通信欄  写真集  リンク集  準会員申込  em portugues




ブラジルに来られて間もない方々へ ブラジル事情 ニッケイ新聞より転載
私の参加しているML、BATEPAPOの6月24日付け書き込みにサンパウロ在住の伊豆山さんがブラジル事情と題して【ブラジルに来られて間もない方々へ】との下記書き込みを出しておられます。既に新聞を購読しておられる方はお読みになったと思いますが、まだ読む機会がなかった方も多いのではないかと思いますので参考にニッケイ新聞よりお借りして下記転載して置きます。【6月23日(水) ニッケイ新聞(日系の方です)に「育たぬ技術革新の土壌」として、フォーリャ紙からの転載記事を紹介しています。ブラジル着任間もない方で、もし未だお読みでない方がいらっしゃいましたら、一読お勧めいたします。カリフォルニア大学の先生のブラジルの現状に対する分析がのっています。5分で、しかも日本語で、ブラジルが、いまだに、技術小国である実情が把握出来ます。】 伊豆山写真は、適当なものが見つからずリオのフラメンゴ海岸に事務所を構えておられる三井物産の事務所の窓から撮らせて頂いたポンデアスカールを使用しました。


育たぬ技術革新の土壌=産学官の連携なし=お粗末な大学の研究水準=重視される教育行政6月23日(水)  【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十四日】「ブラジルの資本主義」の著者、カリフォルニア大学のマーシャル・C・エアキン教授は、「ブラジルの工業化政策は、独自の技術革新のための土壌も環境も整備しなかった。技術は全て外国から導入し、技術革新など眼中になかった。IT時代は、そのような甘えは許されない」とする論文を発表した。 ルーラ・ドクトリンの矛盾について同教授は、次のように持論を述べた。 【ブラジルの工業化政策の特徴】資本主義は、各国の土壌に応じて違った花が咲く。ブラジルのような亜熱帯の国に移植された資本主義と先進国の資本主義も、自ずと異なる。先進国は独自の技術開発を行い技術の自給に努めたが、ブラジルにはその開発と努力がなかった。単なる国産化と国内供給に留まった。 【なぜ、そういえるか】各国で五、六〇年代に設備の近代化が叫ばれた。近代化の過程で先進国の技術革新は同時に進行した。ブラジルはこの同時進行が抜け、技術革新の土壌も環境も育たなかった。これは途上国の工業化の特徴といえる。ブラジルの工業の規模は先進国並みだが、技術革新が不足している。 【ブラジルは依存経済か】依存経済は六〇年代で終わり、グローバル化の現在は死語となった。先進国は世界中から、部品、技術、情報、欲しいものを取り寄せる。ブラジルは、まだどっちつかずの状態にある。 特にIT分野では、独自の技術開発が不可欠。日本では、産学官の連携がある。米国では大学が研究に、産業が資金を、政府は企画に精進している。ブラジルでは、まだ本格的な連携はない。これは資金の問題ではなく、大学の研究水準がお粗末なのだ。 ブラジルの多国籍企業は、本社に情報を求める。ブラジルは技術開発の出発が遅れたからだ。三〇年代まで近代化された大学が、存在しなかった。欧米では十六世紀、すでに大学の近代化が叫ばれていた。 【ブラジルが競争に仲間入りするには】二十一世紀の産学官連携の模範例はないが、国際化と分散化で様変わりが予想される。米国は徹底的に、下請け制を取り入れた。米A社に問い合わせの電話をかけると、受付嬢がインドから応対する。これからの企業は幹部や重役が、世界に散在する。 ブラジルは英才を活用する土壌や環境がなかったので、多くの人材が外国へ流失した。これからは、外国赴任のため本人が行く必要はない。自宅で米B社に、日本のC社に勤務できる。インドでは多くの人材が、自宅で外国企業に勤務している。管理が困難視された頭脳の活用も、世界を縦横に走り回る時代が来た。 【この状況下でブラジルは】非常に有利だ。ブラジル経済の脚は、米国や欧州、アジア、南米へ伸ばし、しかもバランスがとれている。メキシコのように八〇%が米国に依存は、柔軟性がなく不利だ。もう一つの利点は、技術革新はインフラと無関係だということ。製鉄所設置には大資本が必要だが、IT産業では頭脳が資本だからブラジルにハンディはない。そこで重要視されるのは、教育行政だ。 【グローバル化と左翼思想は】ブラジルには、伝統的左翼思想はない。冷戦の終焉とともに、革命思想も終焉した。代わりにネオ・リベラリズムが登場した。しかし、ルーラ政権が保守的経済政策を採用する中、どのような革新的社会政策を採れるのか。PT政権の左翼思想には、解答が見えない。 【楽観論の行方は】ブラジル人はいつも、天性的楽天主義と意気消沈のはざまを徘徊してきた。七九年に訪伯したとき、犯罪の急増と治安の悪化が懸念されたが、麻薬は現在ほど蔓延してなかった。六〇年代の希望は、現在は失望に変身している。若者たちは、政治も政治家も信用しない。 【将来への展望は】ブラジルはこれから十年、庶民階級の叫びは聞かれず、就職難と社会不安、宗教心の低下で悩まされる。五十年前と比較するなら、ブラジルの経済事情は好転しているから改善の方法はある。改革が出来ないのは、政治の貧困だ。国民がもっと政治意識に目覚めることが先決といえる。



アクセス数 7585300 Copyright 2002-2004 私たちの40年!! All rights reserved
Desenvolvido e mantido por AbraOn.
pagina gerada em 0.0249 segundos.