暑中お見舞い申し上げます。アジアのフリーライター松田 健さんからの久しぶりのお便りです。
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数年前にご自分の守備範囲アジアを離れJETRO派遣の香港テクノセンター石井ミッションの一員としてブラジルを訪問された時からのお付き合いをさせて頂いており松田さんのHPハロハロもリンクさせて頂いておりますが、今回は、アジアを離れて花の都パリを訪問されたとの事でロンドンよりお便りを頂きました。私はタバコを吸いませんが、是非花の都パリには行って見たくなりました。ポルトガル、スペインの方が先になりそうですがそろそろ中南米、日本を卒業してヨーロッパに進出したいと女房と話しあっていますが実現するでしょうか?それまでは、皆さんの旅行記等で楽しみたいと思います。松田さん有難うございます。
写真は、送って頂いた中からミロのお尻を見ながら休める石の長椅子から撮ったものをお借りしました。
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年1回はアジアから離れるようにしていますが、今回は欧州に2週間ほどおりますがフランスは初めてで以下はパリ報告です。
パリでは多くのリッチやサラリーマンは1か月も休暇をとってのバカンス中で、パリの街に目立つのは観光客。とりわけ日本人と中国系が目立ちます。この時期、日本は暑いようですが、夜は涼しくしかも日没は午後10時近くで朝も早く明けるため長――い1日です。
割り増し賃金でも残業なんか嫌と早々と帰宅するのはラオスだけかと思っていましたが、欧州もそんな感じです。
私は今年、これまでに3回もフランス人とちょっとした言い合い(喧嘩)を、ミャンマーで2回、ベトナムで1回、やらかしています。例えばこの4月、ミャンマーのバガン(BAGAN)遺跡で写真を撮っている最中の私をアゴで指図し、邪魔だからそこどけ、アジアの下賤者といった態度で迫ってきたフランス人のオバハンに『仕事中だ、順番に並べ、野蛮人』とどなってしまいました。ミャンマー人の優秀なガイドさんも『フランス人観光客には泣かされていますが、サービス業なので耐えています』と言っていました。こんな悪いイメージのフランスに来てみると、悔しいことに確かにパリは花の都。
セーヌ川沿いなどに絵になる風景があふれ、バンコクでも日本の京成電車や秋葉原などでもイジメに会っているヘビー・スモーカーの私が何より感動したのは、フランスはスモーカーに極めてやさしいことです。千代田区の役人ども、シンガポールのリークアンユー一派、それに悪乗りしている近年のマニラやバンコク(双方とも空調施設がある場所での喫煙が禁止となりました)の当局の人たちにもパリの「自由」を視察してもらいたいものだと感じます。
もっとも欧州でもシンガポールや香港と同様にタバコは極めて高価。安いブランドでも1箱1,000円もします。そこで「タバコを一本ください」と見知らぬ普通のフランス人がタバコを吸っている私の周りにやってきます。
ドゴール空港からのバスの運転手もバスの中でタバコを吸いながら乗客を案内(写真)していましたし、街中でとりわけ若い女性の歩行喫煙が目立ちます。有名な路上のカフェーでもほとんどがスモーカー。非喫煙者に手や本や新聞でバタバタと煙を追い払おうとする人などいないのが新鮮で、うれしく、それならこちらも非喫煙者に迷惑かからないような吸い方をしようかな という気持ちになるのです。
最近、ドゴール国際空港の新ターミナルの屋根が落ちましたが、パリのオペラ座まで運んでくれるバスの運転手がバスの中でタバコ吸っているのにはびっくり。エッフェル塔に上ると展望台でも屋上まで登れる凱旋門(ナポレオンが1806年に建設を命じナポレオンの死後、1836年に完成)の屋上でも喫煙は禁止ではなく、灰皿も用意されていました。有名レストランでも1泊10万円もする一流ホテルでも喫煙者にきわめて優しいのです。
写真はエッフェルの上部の展望台から身を乗り出して(否、カメラを持つ私の手が乗り出して)撮影したもので、下界にタバコを投げ捨てする不届き者が多いという証拠写真になりました(写真)。エッフェル塔に登る順を待つL字形の人の列が下界に見えます。風が吹くとこれら吸殻がパリの街に降り注ぐことになるのです。
●喫煙者は最低限のマナーを守りましょう!!!
パリにも地下鉄が整備されていますが、下車時に切符を回収しないシステムなので、駅の出口などにゴミ(使用済み切符)が散らばっています。ロンドンの地下鉄などに比べるとパリの地下鉄は乗り換えなどで駅の階段の上下が多く、スモーカーには優しいけど、障害者には優しくない感じです。
世界最大のルーブル(LOUVRE)美術館の入場料8.5ユーロ(約1,000円)と良心的で入場入り口が10か所ほどありバチカンなどイタリア各地の美術館やロシアのエルミタージュなどで経験した長時間並んで待つ必要がありません。館内を歩き疲れてちょうどミロのヴィーナス(LA VENUS DE MILO)のお尻側に休憩できる石の長いすを見つけました。そこでヴィーナスのお尻を見ていると、最近の日本女性などの尻出ファッション?はすでに紀元前2世紀のギリシアの真似事だと思えました。
展示品の中では、紀元前1800年、今から4千年も前、バビロン王と世界最古の法であるハムラビ法典(CODE DE HAMMURABI ROI DE BABYLONE)が刻まれた石碑がガラスなどに遮られることなく目の前に存在するのは超圧感。とりわけ最近の日本の犯罪を見て日本が導入すべきは「目には目を」などのハムラビ法典でないかと感じた私は、思い出してみればどういうわけが法学部出身でした。
パリの三越は小さいながらビルを構えていますが、日本人より中国系客が目立ちました。高島屋もプランタンの一画を借りているだけであり、どちらも地元に受け入れられている店ではなく、あってもなくてもどうでも良いって感じ。しかし、「KENZO」の店はパリ中に目立ちます。
アジア各地でニセモノに見慣れているルイ・ヴィトン、エルメス、カルティエ、グッチ、シャネルの本物だけがパリにはいっぱい。しかし高くて私には買えないので、せめてそれら風格を目に焼き付けました。
インドのムンバイのゲートオブインディアやラオスのビエンチャンで登ったアーヌアワリに比べ凱旋門は断然大規模で高さ、幅とも約50メートル。ここから12本の道路が放射状に延びており、そのひとつがシャンゼリゼ(CHAMPS ELYSEES)通り。コンコルド広場まで散策する人が多く、このコンコルド広場はマリー・アントアネットを含む1,343人が処刑された場所。1775年にルイ15世広場として完成し、広場中央のオベリスクはエジプトから贈られた3,400年も前のものだといいます。
世界で最もきれいな通りは東京の銀座通りかとも勘違いしていました。全長2キロほどのシャンゼリゼ通りに比べ、先日、午後11時頃に歩いた銀座はほとんど人影がなく、上海の南京東路よりも落ちぶれてしました。
アジアでニセモノに見慣れているルイ・ヴィトンの本店もこのシャンゼリゼ通りに面してありますが、現在、この本店ビルは修築中です。しかし内部の工事現場を隠すかのようにルイ・ヴィトンが「世界最大」とギネスに申請中の大カバン2つがビルを囲んでいるのもすごくフランスのセンスのよさを感じさせます。
店で日本人観光客がこれら高価なブランド品を競うように買っているのを見ると、日本はまだまだ大丈夫、まだまだお金があるという感じ。しかしキティとかポケモンなどの日本ブランドももっと高く売ってもらいたいものだと感じました。
ロンドンにて 《松田健》
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