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ブラジルで損せぬ法  連載 208/209 1月号/2月号  山 下 晃 明
『20XX年のある元旦』山下さんの初夢は、2008年のブラジル日本移民100周年祭に完成した自動翻訳用のデータバンクに収められた辞書を使用して自由自在に日本語ーポルトガル語ー日本語の即時翻訳機を駆使して仕事をしている姿ですが、これは何年後なのでしょうか?我々の生きている内に到達できるのでしょうか。『移民90年祭のとき「子孫に翻訳辞書を残そう」というコロニア日系紙全ページ記事で何日間か発起人たちと啓蒙運動をしたそうですが、賛同者が得られず「辞書作り」と言ったから理解されなくて「言語データ保存会」とでもすれば良かったかなと思っている。』とのことですが、10年後の100周年祭には、140万日系人ネットワーク穀zを提唱、インターネットでネットワークの穀zを主張する。CPF(所得税上の個人情報登録番号)をベースにした全日系人を対象にしたNET網を穀zを提唱しておられます。
写真は、リオのポンデアスカールです。


山下晃明のブラジルで損せぬ法(208)2005年1月号
20XX年のある元旦
 日本のあるブラジル関係者、インターネットでブラジルのニュースを日本語で侮ヲして斜め読みする。ブラジルの日本に興味あるブラジル人は同じく日本のニュースをポ文にして目を通す。日伯両語は自動翻訳機で翻訳されており翻訳ャtトは電話会社にもあり、会議中も耳に固定するセルラーで翻訳が聞こえる。今の自動翻訳はコロニアが移民100年祭のときデータバンクを設置し、全伯の日系移民20万人の残してくれた辞書を使用している。その後もデータバンクは刻々データが更新され蓄積されている。
 株を所有している会社の会社情報、新製品紹介、使用マニアル、サービス・マニアル、学術文献、特許情報、論文、法文、裁判の判例その他、何でも今はインターネットで公開され何時でも翻訳可狽ニなった。メール通信も日本語で書けば相手が読んでくれて返事がくる。学生交流も文化交流もぐっと活発になった。日本語のわからない日系人も非日系人も出稼ぎの子孫も参加できるようになって過去の数諸{の人が文化の催し会合に参加出来るようになったからである。日伯の言葉の垣根がふっとんでしまった。専門文学以外の分野では言葉の上手な人に通訳や翻訳をしてもらう必要がなくなったのだ。
 子孫に辞書を残そう運動
 実は筆者はハードよりはャtト論者で、記念碑などハードは何れ消滅するか、子孫が維持に困るだけだから今の時代では投資価値なしという論者であり、移民90年祭のとき「子孫に翻訳辞書を残そう」というコロニア日系紙全ページ記事で何日間か発起人たちと啓蒙運動をした。
 記念として形あるものを残すよりは、和ポまたはポ和の自動翻訳向けの辞書、辞書というよりも語、熟語、慣用句、のデータバンクで、例えば「BOM DIA」を「お早よう」「お早ようございます」「オース!」「お早ようさん」などデータバンクには全部入れて未来の自動翻訳機で使えるようにするものを残そうという運動だった。
 コロニアの専門分野で活躍した老人の無形資産記憶データが消えてしまわないうちにデータとして保存しようというのが主目的であったが誰も乗ってこなかった。90年祭当時の発起人は10年経過して疲れてしまったがまだメンバーは残っている。
 ただしコロニアの生き字引の何人かは消えてしまった。「辞書作り」と言ったから理解されなくて「言語データ保存会」とでもすれば良かったかなと思っている。
 インターネットのホームページの電子翻訳、まだ完璧にはほど遠いが、何れはもっと使えるようになるだろう。そのとき必要なのは地方の方言や俗語、専門分野の特殊用語などのデータバンクであると思うのだが、今でもどなたか保存に興味あるメーカーはないものだろうか。
 100年祭に思う
 コロニアの主要紙が記念センター建設には賛成ではないの論説を張っているようすで、100年祭まで後3年に迫ったがコロニアの総意がまとまっているようには見えない。コロニアの総意とは一体何だろうか。新聞報道でサンパウロの文協の会員数が2千数百と少ないのにちょっと驚いた。戦後移民20万人、日系120万人社会の中心的組織の会員がたったの2千人とは、一桁間違っているのではないか。これでは下手な大学の同窓会よりも小さな2千人団体で決めたことはとても全ブラジル日系人の総意とは言えないだろう。今われわれがコロニア社会と読んでいる枠外で活躍している日系人の方が、はるかに数も多く経済力も活力もあるかもしれないが、その連絡網が欠如しているのであろう。
 地域開発にも貢献する観光スポット
 JETROの桜井所長が南伯を旅行した感想として、「観光スポット的なものをつくり、地域開発にも貢献する」の発想はすばらしい。彼のメールから引用すると、
 「昨年もNOVO PETROPOLISのドイツ移民村やGRAMADO,CANELAのドイツ風建物を見て感慨を覚えましたが、今回、BENTO GONCALVESで、EPOPEIA ITALIANAというテーマ・パークを見学しました。建物の中に、ラザロというイタリア人移住者がVENETO州を出発し、ブラジルのポルト・アレグレで成功するまでの叙事詩的なストーリーと、映像とラザロの語りで説明するというもので、「すばらしい、傑作」の一言でした。2008年に日本人移住100周年を迎えますが、イタリア人的発想、ドイツ人的発想は大いに学ぶべきものがあると思いました。
 動的なものを残す
 ブラジルへの還元を考える
 観光スポット的なものをつくり、地域開発にも貢献するの3つがポイントです。
 桜井氏の言われる通り日系移民も見習う必要がありそうだ。単に記念建造物を残すだけであれば、子孫はその維持に困窮して売却することもあるだろうが、市や州と組んで工業団地兼観光地をまとめて造形する。建造物のみではなく、地域全体が採算稼動する商工業サービスの総合システムとして作り上げて引き渡してくれるならブラジル社会からも感謝されるかもしれない。
 一例として以前にも書いたが、ドイツ人とイタリア人の観光スポットはリオ州にもある。REGENDE周辺でコール首相が定礎式にきたワーゲンのトラック工場やプジョーなど自動車工場、ゴーン社長のいたタイヤのミシェラン、化学世界一のBASFとかヨーロッパ勢企業でがっちり固めた工業団地の近くにPENEDOという建物やレストランがすべてドイツ風の観光地がある。リオを含めブラジルから観光者がおしかけて、机をジョッキでたたいてビ−ルを飲みながら釣りたてのマスを食べにくるのである。
 市長も大変親欧的で米系のKODAK、XEROXが工場を開けたが居心地が悪くて徹底したほどである。輸送網も道路はサンパウロ・リオの幹線道路だし、鉄鋼鉄道ではミナス州の製鉄所からコンテナーのセペチーバ港までつながり、新時代はメルコスルでもFTAでも何でも来いの体制である。
 青写真のみでよいではないか
 ただし日本地域システムを今から3年で穀zするのは不可狽ナある、なれば100年祭は記念事業計画のみで良いではないか。大々的に賞金をつけて公募して選別しその計画のスタートを宣言すれば良い。その前に全ブラジル120万日系人の家長推定20万人ぐらいの人とのインターネット・コムニケーション・ネットワークを一早く穀zするべきだ。間違っても郵便でやるなど言わないでくれ、莫大な郵便料が必要になる。
 年末に国会がPPP法案を急遽可決
 昨年中は無理だろうと言われていた法案を上院と下院を一挙に通したということは誰かの意図があるわけで、2006年の選挙がらみもあるだろうが、今年は何らかの動きが出るはずである。
 PPPとはParcerias Publico-Privadasの略で官民合同のインフラ開発法案で90日以内に官報で公示され6ヶ月以内に入札内容が発浮ウれることになっているが、港湾、道路、水路、鉄道など23件の整備計画があり、MERCOSULの進展を始め将来のFTAに応じるには絶対必要な輸出入回廊改善のインフラ整備の投資である。優先工事としてイタキ港の拡張、セペチーバ港の改良、サントス港の整備も含まれるようだ。なお政府の出資は年間歳入の1%以下、出資率はBNDES開発銀行や年金基金も含めても80%以下とする制約がある。
 またも増税
 政府は推定利益錐垂フ会社の粗利率を32%から40%に上げる暫定令を国会に送った。90日間に反対がなければ4月より実施となるが、国庫赤字補填に毎年税率を上げるというのは、スポーツで言えば試合中に自分のチームが負けそうだからルールを変更するようなもので、これではこの国へは安心して投資できない。売上の31%も税金を払っては国内投資など増えるわけがないのである。
 昨年はPIS/COFINSなどで対GDPで1%程度の増税したばかり、こんどは下記の通り対売上で1.92%の増税となる。
 見積り利益錐垂フ場合は所得税の15%とCSLLの9%をこの40%に対して払うので、納税額では現行の25-30%の増税となる。
現行 合計7.68%すなわち
所得税32%X15%=4.8% CSLL32%x9%=2.88%が 
新 合計9.6%すなわち
所得税40%x15%=6% CSLL40%x9%=3.6%と 
実質的に売上の1.92%の増税である。
 「ルーラさん!増税はもういいかげんに止めてください。納税率は昨年でGDPの31.3%と今でも世界一高い水準なのですよ。それに零細企業は一部の業界を除いては40%も儲けてはおりません。脱税が増えるだけですよ。」
 その前に税制改革と年金改革を進めて小さい政府にしながら、毎年少しづつ減税する体制にしていただきたいと願うものである。

山下晃明のブラジルで損せぬ法(209)2005年2月号
140万日系人ネットワーク穀zを提唱
 コロニアの日本文化衰退の悲観論が出始めて久しいが、実はそのような傾向はまったくない。減っているのは漢字識字人口と、移民同窓メンバーの激減である。移民は65年頃から止まっているのであるから、老齢化して減る一方であるのは間違いない。老移民が自分らのみが日本文化の継承の役割を担うと思い込んでいるだけなのである。
 ブラジルにおける日系人は決して減ってはいない、今現在も増えつづけている。但し外国で勉学や仕事また日本へ出稼ぎに行った人も多く、ブラジル全土にもちらばっているからサンパウロ一極集中ではない。
 コロニアの主要紙によると百年祭まで後3年に迫ったがコロニアの総意はまとまりそうもないとのことだが、コロニアの総意とはいったい何だろうか。新聞報道でサンパウロの文協の会員数が2千数百と少ないのにちょっと驚いている。移民20万人、日系120万社会の中心的組織の会員が、そこらの大学の同窓会よりも小さな団体であっては、とてもコロニアの総意とは言えないだろう。
 日系社会はブラジル同化が始まっているのだから、誇るべきブラジルの日系人として、百年祭をきっかけに2,3年かけて日系人のルーツを求めたネット・ワークを穀zすることを提唱する。3年後のIT技術で30万人程度のデータ登録は技術的にもわけないことだろう。それに今なれば各日系人の家のどこかに自分の祖先に日本人がいたことを証明する記録があるだろう。

 インターネットでネットワークの穀z

 全国500以上といわれる日系各団体からのデータ提供と自己錐吹A知人の代理錐垂ナ、名前、CPF、生年月日、メール・アドレスと日系人の祖先の名前を明確にさせる。ブラジルにはすでに国民総背番号制度があるから、どんどん入力してデータのダブリはCPFの番号で整理すればよい。領事館をはじめ、全伯の日系団体と個人がトレースに協力すればブラジルにおける日系人のネットワークが穀zできる。今の時代なれば家族の誰かがインターネットを使っているだろう。登録できた人から日系社会の情報を日伯両語で発信始めればよい。

 バーチャル日本ャTエテイが出来上がる

 仮に30万家長がいて、ネットワークを穀zに成功すれば立派な日本ャTエテイが誕生する。資金問題も一人が1ドルをインターネット・バンキングで供出すれば一声30万ドルの基金の組織ができあがる。資金的にも強力であり、コロニア衰退などとはならない。ネットワークを使用した宣伝収入もかなり大きなものとなるだろう。
 実在する日系人に手をつけないで、文化の伝播などできるわけがない。移民百年祭を機にこれを掌握すれば良いのである。日系人の誇りは言語とはまったく関係ない、「正座させて漢字で教えよう」などと決して思うなかれだ、理解してくれる言葉で伝えれば良いのである。
 日系人の方も例え日本語の読み書きができなくても、日本国が大国、強国になれば日系人である事実は誇りであり頭から消すことはなく、登録を拒絶する理由もないのである。

 シンボリックなリーダーが理想的

 仮にこのような日本ャTエテイの登録が始まって、すべての日系人に登録協力してもらうには、日本人の性格からして今の日系団体の代浮ナはむりだろうな。日本人は特定の人の売名行為を極端に嫌うからな、事務局は別だが、日本ャTエテイはある個人の私的なものであってはならない。リーダーはシンボリックな任期制が理想的である。
 過去の功労と地位は別に考えるべきで百年祭に過去の功労者を撫イするべきだが、代償として地位を与えるのとは別である。その意味では日本ャTエテイといったものが出来るのであれば、その会長職は、むしろすでに公の選挙で選ばれている日系人の政治家を全員役員にしてその中から任期制の会長を選出するのが適正であろう。政治に利用されると危惧する人もあるだろうが、むしろ逆で、日系人をバックに日系の政治家はもっと連邦政府に対して力を持つべきではないか。
 
 柔道4百万空手3百万人、寿司職人は?

 現在ブラジルの柔道家は4百万人といわれ"JUDOUKA"はブラジル語になっている。これらの日本文化は、組織的にはすでに日本人の手を離れてブラジル人を通じて継承されている。日本人のみ集まっても文化の伝播にはならない。もし集まるのが年寄り一世だけだったら同好会の域を出ないことになる。しかしながら其の中にブラジル人が一人でもいたら将来の文化の継承の担い手になるかもしれない。同じように空手は3百万人と言われているが、最近目立つのは寿司職人である。
 もともと日本人にしか出来ない筈の特技であった寿司職人も現在は殆どブラジル人で少なめに見積もっても4000人はいる。1990年代のコーロル・ショックなどの異常為替で給料がドル・ベースで数倍に跳ねあがったときに日本人の本職寿司職人が解雇され帰国、やむなく器用なブラジル人を選んで寿司職人として使い始めたのがきっかけである。その後ブラジル人の職人は級数的に増えて、現在ブラジル全土の有名シュラスカリアで寿司を提供しているのはブラジル人である。
今誰かが、寿司職人登録をNET上で開設するとメンバーは4000人になる。使用言語はもちろんポ語になるだろうが、現在の寿司職人は日本人の直接指導を受けたかその弟子達であり、見よう見まねの寿司、刺身、巻物しか出来なくても、少なくとも寿司は日本の食事であることを知っている。従ってここに日本人がリーダーにしゃしゃり出ても誰も反対するものはない。これを掌握して食事の情報提供、食材の提供、コンクールを開いたり、国籍関係無しに有段者免許制度などに組織化すれば立派な日本食文化の組織になる。
また非日系人であっても、なにかの芸で有段者になるほど一芸を極められる才狽フ保持者は、技を覚えたあとで日本語文化を教授しても、そこらの日本人よりも飲み込みが早いものであり、「道」を説いたり、寿司ネタの魚ヘンの「漢字」も後から教えれば良いのである。

 多くの日本文化はすでにブラジルに同化

 日本の文化の継承として、最初に導入した一世がいなくなっても、非日系人リーダーでより強力に組織化しつつあるものは、柔道、空手などがあるが、日本人の指導で非日系リーダーが育ちつつあるのは日本食以外にも、クモン式などの教育、各宗教団体、カラオケ、折り紙、合気道、剣道、生け花、マンガ、瀬戸焼、まだ日本人が主体になっているのは日本語教育、針灸、指圧、整体矯正、太鼓、日本舞踊などがある。ブラジル人にすっかりなじんでいる飲料では酒とその飲み方、枡に塩で飲むのが特に女性間に広まっている。趣向品食材も味の素や醤油、箸、ヤクルト、ラーメン、豆腐などブラジル人が普通に買い求めるようになっている。ちょっと変わったものでは最近日本式高級お風呂もブラジルでブームとのことである。

 ギブ・アンド・テイクで提案しよう

 生意気ついでにもうひとこと、政府への陳情だ。ブラジル・コストが問題といわれて久しいが「税制をもっと簡素化に」の陳情は、政府にたいして何度も出されたことであろうが、いまだ改善された例は一つも無い。いずれも多くの内部問題を改革せねばならず、内部から多くの反対が出るからである。
 そもそもブラジル・コストという名前からして「ブラジルの特殊環境における卵ェ不狽フ高出費」の意味がありこの国を馬鹿にしている。この改善意見をだす側は「我々はもっと優れたシステムを知っているそれを教えてやろう」の優越感思想が隠れており、受け入れる側ははなはだ不愉快である。
 ここらでもっと受け入れやすい提案に考え方を変えるべきである。
 例えば今エタノールの日本への輸出の話しがある。日本側はブラジルの安定供給に疑問を持って安定供給は絶対大丈夫かと問い詰めてくるが、港湾施設など絶対量が不足しているのであるから、改善を義務つけられても答えようがないのである。貯蔵、精製、積出し設備、輸出通関上屋を提供するから、建設場所とある年数、優先使用権を与えよというような具体的なギブ・アンド・テイクのアイデアを相手に提案するべき時期に来ているのではないだろうか。過去のイギリスのマナウスへの港湾システムや最近ではカンピナス空港のFEDEXのCOURIER物件の通関システムのごときである。(日50トンの宅配小物貨物即時通関)農産物の輸出もまったく同じで、未来のアジアへの世界食料供給基地として、農産物の貯蔵、衛生検査、輸出検査、積出し設備、輸出通関上屋の一環設備の建設を提供する。
 5月の大統領の訪日も控えて、日本始めアジア諸国は食料供給をスムーズに行うためのシステムを提供して輸入する時期に来ているのではないだろうか。



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