リオ日本商工会議所 堤 寿彦会頭のリオ日系機関誌【あゆみ】新年号への寄稿文です。
|
|
リオ日本商工会議所会頭の堤 寿彦さんがBATEPAPO欄で下記書き込みと共にリオ日系機関誌【あゆみ】新年号に寄せられた文が添付されていましたのでお借りして寄稿集に収録させて頂きました。写真は、以前送って頂いたものの1枚を使用しました。
『2008年には、移民祭と日伯交流年という行事の年を迎えます。ブラジルという国に何らかの形で携わった各々が、夫々の立場で、両国の将来の為に何かを考え、少しでも貢献出来ればと思います。
古代の地図には、ドラゴンが住んだり、東洋の端にあるジパングのように一杯金塊が埋もれていたり、多分、アマゾナスの美女軍団もいたりするような緑のユートピアは,絶対に存在すると信じて、命を賭して船出した人たちが多く居たことでしょう。 そこに未知を知リ度き活力も生まれ、パイオニア精神も大いに鼓舞されて来た筈です。
ユートピアの描いてない地図は一見に値しない、、という面持ちで、夢のある地図を片手に、関係者の方々が、老若男女大いに入り乱れ2008年を迎えられればと思います。。。。』
|
|
‘その心もて、、’
ふるさとは 遠きにありて思ふもの
ひとり都のゆふぐれに ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて 遠きみやこに かへらばや (室生犀星)
昨年は、体育連盟やニテロイ日系協会、それに私どもリオ日本商工会議所他が創立50周年を迎え、一つの節目として、行く年を思い起こし、先達の功績を称え、これからの来る年に思いと期待を馳せ、新たな一歩を、皆で手に手を取って、楽しく・剛毅に踏み出そうと決意を新たにしました。
私は、これから暫く、リオあるいはブラジル日系社会全体が、非常に大事な、かけがえの無い重要な時代を過ごして行くものと感じております。過去の記憶・功績をしっかり踏まえておられる日系・日本人先輩諸氏の世代から、新しく・エネルギー漲る若人層が多層的に交流し合える貴重な機会となる、
100周年移民祭などがクロスする、この数年の足場こそ、日系社会の皆様が、本当に心を合わせて、将来に残し度いもの・残るべきものは何か、その照準点を問い・発見する稀有なチャンスであると思います。
政治的にはスキャンダルに揺れた一年で、この国も、今だ行く末を窺う踏絵を誰が・どう踏んでゆくのか不透明なモーメンタムを過ごしていますが、日系社会の皆様におかれましては、是非、10年後、20年後の 将来に亘るブラジルの中での、あり姿 をイメージし、それに向かい、策を練る大事な時期として位置付け、普遍的なるものは何か、変容するものは何かを読み解き、枠組みを作って行かれるよう、切に希望するものです。
時代や世代も代わり、ふるさとへの思い、日本文化・伝統の継承あるいは、日本語自体の必要性、その理由付け等が変容し、他文化と猛烈なスピードで同化して行くのは、前提として避けられない事であります。それは、勿論、正邪を付けられることでもありませんが、多層からなる世代の積極的な交流をエネルギーにして、世代を超えた良質な結束を固め、ことに取り組むことこそ、日系社会全体に求められる、各個人の意識すべき大事なポイントであると思うのです。数世代に亘る老若男女の方々がしっかりスクラムを組むことにより、‘残るべきもの’の、次の時代へのしっかりした橋渡しがされて行くものと確信致します。
アイデア実現の秘訣は執念だと思います。是非、当機関紙 あゆみ でもメッセージをたゆまなく、大きく発信され、若人世代の新しい時代の価値観を取り込み、彼等自身による今後の活動への参加・貢献を, 心から期待し度いと思います。ユートピアの描いてない地図は、一見に値しないとの気持ち
を、しっかりと心に刻み、若者には是非、否応なく迎え来る新しい時代を望み、自身の世代が目指すユートピアを描き込んで頂き、自分のふるさと‘リオデジャネイロ’の故郷感を、普遍的な日本文化と共に大切にし、しっかり将来に伝えていって欲しいと思います。
我々、リオ商工会も、皆様と共有できる時間を大切にし、リオ日系社会発展のため出来る限りの協力をして参りたいと思います。 堤 寿彦
|
|