「おいやんのブラジル便り」日本式デジタルテレビ・システム売り込み成功!!
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お馴染みの真砂 睦さんの「おいやんのブラジル便り」は、もう70回を超えました。72回、73回の2回にわたりブラジルのデジタルテレビ方式の選択に関してヨーロッパ方式、アメリカ方式と三つ巴になって獲得合戦を繰り広げていましたが、先週4月13日に東京でアモリン外相と麻生外相との間に日本方式を採用するとの覚書を交わしました。後は大統領の採択だけとなっていますが、大統領は急ぐ必要はないとじっくり高ヲる姿勢を示しており半導体工場誘致の確約を取り付けるべく粘る作戦のようですが、最終的には日本式が採用されその内ブラジルでもワンセグと呼ばれる携帯電話での移動式テレビが見られるようになるでしょう。日本移民100周年祭を迎えるに当たっての大きなプレゼントとなりそうです。
写真は、4月13日に東京で署名された覚書に付いて報道する当地新聞CORREIO
do POVO紙です。
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又今朝からサンパウロに来ています。明日午前中の会議を終えて午後にはポルトアレグレに戻る嵐閧ナす。新しく導入した東芝のPCの設定も粗、終わり操作にもなれて来ました。
真砂さんの「おいやんのブラジル便り」(その72)が届きましたので送って置きます。
本日、ブラジルのエリオ・コスタ情報大臣を長にしたミッションが日本に発ちました。金曜日にデジタルテレビ放送に関する最終報告書をルーラ大統領に提出したとのことで後は、ルーラ大統領の個人的な最終選択を待つのみとのことで日本ブラジル移民100周年を睨みルーラ大統領は日本式選択を決めている?と伝えられておりアルゼンチンもブラジルに追随すると日本式を押しておりチリを除いた(アメリカ式採用を決めている)南米全域?が日本式になる可柏ォが強いと見られており大いに期待が持てる。日本頑張れ!!
「おいやんのブラジル便り」(その72) 2006年4月9日
ブラジルへのデジタルテレビ・システムの売込に、日本・ヨーロッパ連合(EU)・米国がしのぎを削っている。ブラジルは1998年頃からデジタル方式導入の検討を始めていたが、現政権が今年6月のワールドカップの試合を試験的にデジタル放映するともらして以来、がぜん熾烈な売込競争が楓ハ化した。
南半球最大の市場を取込まんがために、日・欧・米の企業幹部のブラジリアもうでが始まった。日本の先端企業、東芝・ャjー・松下・NECが手を組んで、戦闘体制をしいた。情報大臣・エリオ・コスタは、日・欧・米のシステム選定基準として、今のアナログ受像機との互換性、携帯電話への接続性が不可欠の要件であるとし、その要件を満たすのは日本方式だけであると公浮オた。
商戦は騒がしくなった。エリオ大臣は、ブラジル最大のテレビ局グロボ社の元・キャスターを務めた人物で、業界に通じている。アメリカ方式はチャネルの互換性がないということで一歩後退、日・欧の対決が鮮明になった。日本国ブラジル大使が動き、日本方式導入にかかる費用に対して無制限ともいえる特別融資を約束した。
欧州連合は猛然と巻返しにでた。日本方式は現在のアナログ受像機に接続するにはコンバーターが必要で高くつくし、日本方式を採用しているのは日本だけなので、将来受像機の輸出ができない。欧州方式を採用するなら、ブラジル製受像機の欧州での輸入税を免除すると迫った。
一方フルラン開発大臣が、単にデジタル技術を導入するだけでは益するところが少ないとして、デジタル用半導体工場をブラジルに建設し、川上から川下までの技術移転をせしめることが、システム選定の決定的条件であると新たな課題を突きつけた。しかし最先端半導体工場の建設には巨額の投資がからむ。簡単に安請け合いができる話ではない。日本連合各社の幹部がブラジリアに飛び、日本方式が選定されれば、半導体工場の建設が採算に乗るものかどうかの企業化調査を行うと約束した。
欧州連合も同様、1年間をかけて企業化調査を行うとして、直ちに追随した。相前後してグロボをはじめとするブラジルのテレビ局10社が組んで、「唯一日本方式が必要条件を満たす。欧州方式はブラジル全土を適切にカバーする迫ヘがない」との声明を出した。テレビ局は携帯に接続できる日本方式を採用すれば、携帯への映像サービスを牛耳れる。商売拡大の絶好の機会である。反対に、電話業界には脅威となる。その電話事業は欧米系の企業の独壇場。日本方式の映像業界への侵入は致命的である。テレビ業界と電話業界をそれぞれ後ろに抱え、日・欧は互いに一歩も引けない状態にある。
ブラジルの関係者を前に、在ブラジルEU大使が「孤立する日本方式を採用すれば、ブラジルは世界の孤児になるだろう」と強調した。これを聞いたエリオ情報大臣は「はったりだ。ブラジルをなめている」と激怒した。映像業界を背負っているエリオ大臣は、なんとか日本方式を導入したい。そのための布石として、日本と韓国のデジタル半導体企業の視察に、官房長官、開発大臣も引っ張り出し近々訪日すると報じられている。お隣の大市場・韓国を米方式に取られ、日本は孤立している。ブラジルを落とせば近隣の南米諸国も日本方式になびく可柏ォが高い。ブラジル商戦の成否が、孤立日本の映像産業の将来を決める。日本がんばれ。
真砂さんの「おいやんのブラジル便り」(その73)は前回の続きでデジタルテレビ戦争の決着と今後への日伯間の経済協力、その波及効果、果ては、日本移民100周年への布石として捉えています。近年にない嬉しいニュースです。
「おいやんのブラジル便り」(その73) 2006年4月15日
(その72より続く)
ブラジルを舞台としたデジタルテレビ戦争が事実上決着した。4月13日、外務大臣・情報大臣・開発大臣で告ャされるブラジル訪日ミッションを代浮オてアモリン外務大臣と、日本側麻生外務大臣との間で日本方式導入についての「覚書」が調印された。「覚書」はミッションが帰伯後ルーラ大統領の承認を待って正式に発効する。激しい戦いであったが最後に日本が欧州連合(EU)に競り勝った。「覚書」の詳細は公浮ウれていないが、単なるデジタル技術の提供にとどまらない広範囲な政府間協定となっているようである。日本方式を基にしたブラジル所有技術への適応の為の共同作業、技術料(ロイヤルテイ)の免除、デジタル半導体工場をブラジルに建設するための側面支援、デジタル転換に伴う必要資金に対する国際協力銀行(JBIC)融資の提供、そして日本方式デジタル技術の開発・管理組織である日本放送産業連盟(ARIB)の委員会メンバーにブラジル人を加えることが盛込まれている。これは単なる技術販売商談などではない。一つの国に、新たに先端産業を導入し、根付かせる為の国家間の総合支援協定である。民間企業がブラジルで日本方式に則ったデジタル映像機器生産体制を整えるには、8年から10年の間に総額100億ドルの投資が必要といわれ、情報基礎産業である半導体工場の建設に必要な投資額が4億〜7億ドルと見積られている。放映業界もデジタル機器への転換が必要であろう。消費者も受像機の買換えで巨額の消費を余儀なくされる。投資と消費の相乗で、デジタルへの転換は長期にわたって巨大な経済波及効果をもたらす。そうした転換に伴う必要な技術と資金を、直接・間接に日本政府がまとめて保証をしたようなものである。ことは単に経済にとどまらない。日本の情報技術開発の奥の院、放送産業連盟(ARIB)の運営メンバーに、ブラジル人を迎え入れるというのである。ここを司令塔として、日本方式を基にしたブラジル型デジタル技術を共同開発することになる。参謀本部に友邦国の参謀を迎え、共同して作戦を練る、そんな体制が日伯両政府で確認されたのだ。異例の事であろう。ブラジルは対抗馬・EUを梃にして、日本が持っているものを全て引き出そうと粘った。EUの追撃を振切る為に、日本は出せる駒を全て出し切ったように見える。携帯への映像供給を狙うテレビ業界を抱えるエリオ情報大臣は、当初から日本方式を推していた為、EUから「日本のロビイストだ」と非難された。デジタル方式の選定は国家の先端情報体制穀zの基本方針にふれる問題だけに、エリオ大臣は、大統領はじめ政府や議会の承認が得られるだけの条件を日本から引出し、最後は日本方式で幕を引きたかった筈だ。EUの追撃は、日本からの好条件引出しに大いに追風であった。日本は持てる駒を出し切った。ブラジルは、欧米に陣地を取られ孤立していた日本方式を導入する最初の仲間となった。思えば1970年代には日伯の官民が手を組んで、ブラジル中央部のセラードとよばれる半乾燥地帯を、20年をかけて大豆とコーヒーの一大生産地に変えた。世紀が移って、今度は先端情報分野で日伯が再び手を組む。10余年間にわたるデジタル化への共同作業を通じて、再びあの熱気に満ちた日伯の信頼関係が生まれるのであろうか。折しも2008年には、この国は日本移民100周年を迎える。
今日4月14日(金)は、聖金曜日でキリストが庶嚔ヒに架けられた日でブラジルでは大事な休日となっており3連休です。事務所のビルも閉まっており我が家で新しいPCの前に座っています。まだ設定の調整、操作の不慣れ等で苦労していますが、よく起きていたクラッシュ等は無くなり安心して使えます。添付資料が開けられないと言ったクレームも入って来ていますが、何とか慣れていくでしょう。
今朝の当地新聞には、現在訪日中のAMORIM外務大臣を団長としたデジタルテレビの方式決定を検討するミッションが麻生外務大臣との間にブラジルとしては、デジタルテレビ方式は日本のISDB方式を採用したいとの覚書を交わしたとの報道が大きく掲載されています。
ROYALITYを取らない技術移転、技術者の日本でのトレーニング、必要部品のブラジルでの生産、特にセミコンダクターの生産会社(7億ドルは掛かる)設立の可柏ォ調査(2週間以内に東芝がミッションを派遣する)等の基本線を明確にしており最終決定は、ブラジルでルーラ大統領が発浮キることになっているが今回のミッションが日本で基本合意の覚書に署名するとは卵zされていなかったので大きな収穫と考えてよいでしょう。日本方式採用に踏み切った一つの理由が携帯電話でも移動しながら映像をきっちり掴めるワンセグが評価されたといわれており日本移民100周年の2008年にはブラジルでもこのワンセグ携帯テレビが見られるようになりそうです。
金曜日の当地新聞にも大きく報道された日本におけるブラジルデジタルTVの方式を日本式に決定したいとの覚書署名に付きニッケイ新聞にも下記記事が出ていましたので送って置きます。
あとは大統領の決断=デジタルTV=独自の日伯方式開発か=小泉首相ガッチリ
手を組む
ニッケイ新聞 2006年4月14日(金)
【既報関連】デジタルTV方式選定に関して、アモリン外相ら三閣僚が訪日して
小泉純一郎首相らと藷日に会談した件で、日伯外相は翌庶O日に「地上デジタル
放送に関する日本の協力を盛り込んだ覚書に調印した」と時事通信は報じた。日本
方式を採用した場合、政府は技術移転や人材育成などの協力をする。
エスタード紙は「日本方式はルーラ大統領のサイン待ち」との大見出しで、三閣
僚が小泉首相とガッチリ手を組んでいる様子(=写真=)を掲載した。伯国政府は
日本、欧州、米国の三方式から選考中だ。
時事通信によれば、アモリン外相は「研究の結果、日本方式が最も適している」
としながらも、「政治的、政策的な決断をする必要がある」と語った。欧州勢からの
強烈な巻き返しにより、決断発浮ェ遅れており、あと一押しを求めて訪日した現状
を説明した。
「きてよかった。大変すばらしい」。コスタ通信相は同紙に語った。「大統領が安
全だと感じれば、もう決断できる」とし、日本での交渉が満足いくものであった事
を強調した。
同紙によれば、竹中平蔵総務相は、両国技術を合わせた「日伯方式」を標準化す
る可柏ォに論及したという。アモリン外相もAFP通信に対して、「日本方式が選ば
れた場合、それをベースにした独自のシステム〃日伯方式〃となるだろう」と語っ
た。
フルラン開発相も「デジタルTV作業部会は半導体工場設置を確実にするような
税制優遇策を検討する準備がある」と語った。
同紙のなかで明らかにされた交渉内容は、日本政府は国際協力銀行(JBIC)
を通じて資金融資すること。ただし、ブラジル政府が当初期待していた二潤`五・
億ドル規模の大規模な投資ではなく、四〜七億ドルになりそう。庶O日、使節団一
行は東芝、NEC、SONYを視察。コスタ通信相は「特に東芝が半導体工場に積
極的だ」とコメントした。
連日この件を報道しているエスタード紙は、大統領はコスタ通信相の日本滞在延
期を許可したと報じた。最長で庶オ日までいられることになり、その間にさらに交
渉を詰める。
ロイターは「ブラジルの専門家たちは欧州方式の方が安くつき、適当だと指摘し
ているが、選挙の年だけに政府はメディアを怒らせるリスクは負いたくないだろう」
との記事を配信した。
AFP通信は、アモリン外相は「まだ最終決定ではないが、日本方式はほんのわ
ずかだが、もっと魅力的だ」と語ったと伝えた。
閣僚らは今回の覚書が、日本方式決定を意味するものではないとし、「最終決定は
ブラジルで行われる」と強調した。
日本では4月1日から携帯でデジタルテレビが見られるワンセグとか言うイステムが主要都市で実現したとの事ですが、上手く行けばブラジルでもこの日本式デジタルTV放送システムが採用され2008年の日本移民100周年の年には日本と同じように携帯電話でワンセグが見られるようになるかもしれない。実現を願っている。ニッケイ新聞の3月30日付けで下記のような関連ニュースが掲載されています。
6主要閣僚来月訪日か=デジタルTV=国挙げて取組む日本勢=最後は大統領の「政治判断」=決まれば百周年の目玉に
ニッケイ新聞 2006年3月30日(木)
デジタルTV方式の交渉に関して、主要閣僚六人が四月九日ごろに訪日することが明らかになった。半導体や液晶TVの工場誘致など大規模な投資案件を話し合うためで、ジウマ・ロウセフ官房長官、セルメEアモリン外相、セルジオ・レゼンデ科学技術相、ルイス・フェルナンド・フルラン開発相、エリオ・コスタ通信相が参加する嵐閨B新財相に就任したばかりのギド・マンテガ氏かその代理も加わるという。使節団は韓国にも立ち寄る。これだけの閣僚が訪日するのは、昨年のルーラ大統領随行団以来で、日伯関係の活発化に期待が高まっている。
二暑纉付けエスタード紙によれば、コスタ通信相はデジタルTV採用方式をめぐる問題について、三藷に行われる九閣僚が参加した特別委員会で調査の結論を出し、ルーラ大統領に提言すると発浮オた。同相は、訪日前に方式決定する可柏ォにも言及。決定してから訪日するのか、訪日した成果を参考に決定するのか。大統領の判断にゆだねられそうだ。
今回の訪日は、先週から同通信相がマスコミに語ってきたが、二暑纉午前現在で、在伯日本国大使館に正式な通知は送られていない。
伯国主要閣僚の大半が参加する使節団になるだけに、正式になれば、対応する日本側閣僚とのスケジュール合わせなど大使館は調整に追われそうだ。
地上デジタル放送の方式の候補は日本、米国、欧州連合の三つ。日本政府は国を挙げて取り組んでおり、既報の通り、堀村隆彦大使も積極的に交渉している。関連技術の著作権料免除、国際協力銀行(JBIC)から関連インフラ整備に五億ドル(約五百八曙ワ億円)規模の融資をする意向を伝え、説得を続ける。
「日本方式に決まれば、日伯経済協力がハイテク産業に移行したという非常にシンボリックなものになる。百周年にとっても意義が深い」。在ブラジル日本国大使館の大竹茂公使は熱心に語り、強い期待をにじませた。タイミング的に百周年と重なることから、日伯経済交流の目玉になりそうだ。
当初は技術的に優れた日本方式が有利と報じられてきた。その後、「日本方式を採用したら輸出できなくなり世界から孤立する」などとする欧州連合の六大使が説明に赴き、欧州企業が投資を明言するなど強烈な巻き返し工作が展開されている。
伯国政府は、半導体や液晶などの工場誘致を交渉条件にあげ、産業国「を変革させる契機となるような大規模なハイテク投資を求めている。
これに対し、日本や欧州の多国籍企業からは、半導体工場などには潤`二初ュドルの巨額投資が必要となり、それ相応の道路や港湾設備などのインフラ整備がまず必要と疑問視する声も出ており、いまのところ実現は難しいようだ。
二庶O日付けなどの主要各紙には、民放主要暑ヌが日本方式を支持する異例の一面広告を出すなど国内からの圧力も激しい。選挙の年だけに、マスコミに嫌われたくない心理も働くと見られ、最終的にはルーラ大統領の「政治的な判断」で決断される。
すでにアルゼンチン政府は伯国の決定を参考にすると発浮オており、今回の採用はメルコスール全域に影響を与える。テレビ受像機のデジタル対応新機種への買い替え需要は諸N、曙ワ年かけて徐々に進むとみられ、国内電器業界への影響は莫大だ。
日本政府もャjー、パナャjック、東芝、NECなどの民間企業と足並みをそろえ、自国外での初採用を目指して粘り強い交渉を続ける意向だ。
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