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【アンコールワットの旅】   菅間五郎 さんの寄稿です。
早稲田の海外移住研究会の先輩である菅間五郎さんがアンコールワットの遺跡を訪ねた感想を洒脱な短歌風に纏めておられます。自分の骨は灰にしてイグアスの滝に撒いて欲しいとのご希望を持つ菅間先輩の自然への憧憬が感じられる旅行記です。
写真は、黒瀬さんのHPに掲載されていたものをお借りしました。


アンコールワットの旅              菅間五郎
JALパックのツアーで4日間アンコールワットの遺跡群を堪狽オた。現地でアテンドしてくれたカンボジアの空が大好きだという大和撫子のガイドさんのお蔭で素晴らしい旅になった。古色蒼然たる遺跡や彫刻を見るたびに思うことがある。それらが作り上げられた時の元の姿に触れて見たいといつもつくづく思うのだ。アンコールワットはアジア人が作り上げた物であるだけにより一層感動が深いものに成ったが、江戸時代の寛永九年にこの地を祇園精舎と考え、はるばると海を越えて訪れた日本人がいたそうだ。この人の感動は如何ばかりであったろう。
アジア人の成したる業ぞその威容
     アンコールワットは我らが遺産
古も世界平和を祈りしぞ
     四面観音の穏やかな顔
恐ろしき自然の猛威遺産喰み
     大蛇の如く大樹地を這う
バンテアイスレイの女神麗し
     千年の時空を超えて我に微笑む
数々のデヴァータ(女神)見れど
     腕の削げ顔無き像の忘れかねつる
父母の供養の為に波涛越え
     アンコールワットを訪いし人あり
その人の姓は森本名は右近
     寛永九年正月のこと
カンボジアの空が好きだと屈託なく
     ガイド勤めし大和撫子
野茂もいてあいつの顔も丸ちゃんも
     クメールの旅は楽しかりけり




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