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夏の盆休みを利用しての四国お遍路実施 勢古口 順さんの奮闘記。
昔、丸紅勤務時代にウルグアイの石の王様、ネグロ・アブソルートと呼ばれる純黒のグラニット(花崗岩)の対日輸出のお仕事で一緒に山にも入った勢古口 順さんが毎週、J REPORT(本、映画、食と勝手な独り言)のメルマガを送って呉れています。
その8月18日号に盆休みを使用して四国のお遍路をTRY3日間で62キロを踏破、途中スキップしたお寺もあるようですが、一応19番札所まで完走し年末年始に残りをクリアーされるとのこと。四国お遍路第1回を掲載して置きます。
写真は、同報告書にあった前半、19番札所での踏破記念写真です。
私も時間と体力があればゆっくり女房と歩いて見たいのですが、実現は不可能なようです。出来れば室戸岬と足摺岬だけは車ででも良いので行って見たいと願っています。


「四国お遍路、第一回」
それを思い立ったのは、4月の骨折がきっかけだった
身体が思い通りに動き、丈夫で過ごせるのは限りがあると そして思い切って真夏の四国路に旅立った
ANAに徳島路線がないため、高松入りしてJR徳島線で「坂東駅」に向かう 特急列車だったが、当日は臨時に坂東駅に止まるという 駅前から無料の連絡バスに乗る
このバス、実は映画「バルトの楽園」のロケ地巡り用で帰り道に「一番札所」の「仁和山 霊山寺」に立ち寄る
「ドイツ公園」というところとロケ地まで行くのだが、小さなマイクロバスなので満員だった あの映画は見逃したのでちょっと残念だった
さて、厳かな気持ちで「一番さん」に行き、 「般若心経」を唱え、御札を置いてきた
真昼の12時の気温は恐らく35度以上か 雲一つない快晴だ 帽子を被り、リュックサックを背負って歩き出した 汗があっという間に噴出してくる 首に巻いたタオルはグショグショ 途中でペットボトルの飲み物を買う
2番札所「極楽寺」まで1.4km 引き続き3番札所「金泉寺」まで2.6km
当初の嵐閧ナは、ここで民宿に行くつもりだったが まだ2時になったばかり よって更に歩き始め、4番札所「大日寺」へ 5.6km
5番札所「地蔵寺」まで2km 本日の行程は合計11.6km 地蔵寺前の民宿「森本屋」さんに早々に入る
シャワーを浴び、衣類等を簡単に洗濯し干す テレビをつけ、早速ビールを頼む あっという間に3本飲み干す 美味いねえ
徐々に他のお遍路さんも宿に到着 夕食は6時から私を含めた5名(内、女性1名)
皆初めての遍路道
宿の小母さんが「明日の朝は5時半でいいかい?」と言う 付近にはコンビにもなく、勿論遊ぶところなど皆無 夜は寝るだけ
クーラーを入れ、床に入ったが、静かなので あっという間に寝入ってしまった初日でした

さあ二日目、朝は5時過ぎから食事 確かに涼しいうちに行程を稼ごうとするならば、この時間帯に出発するのが正しいのか? 私自身は5時50分に宿を出た
空気はまだ涼しく、陽射しも柔らか 足も思わず速くなる
遍路道の途中に沢山のお墓がある 苔むして、ひっそりと佇む墓たち 侘びしい光景だ 四国のお墓は新しいのは皆「白」色の墓石だ
6番さんに向かうが、途中で道を間違え、約1kmロスをする 庭に水を巻いていた叔父さんが間違いを教えてくれたので助かった
6番札所「安楽寺」まで6km 何が楽しみかといえば、水を飲むこと 売っているボトルよりも「真水」の美味しさに感動する 寺で飲む水が一番嬉しいことが判明
次は7番札所「十楽寺」まで1.2kmとごく近い
8番札所「熊谷寺」まで2.4km 途中に約50mほどの登りがあり、息が切れる
まだ午前中、陽は高い
9番札所「法輪寺」まで2.4km 本当は2日目はこの先の民宿で泊まる予定だったが、これならまだまだ先まで行けると電話でキャンセルしようとしたが、電話には誰も出ない
10番札所「切畑寺」」まで3.5km 9番から10番への途中に民宿があるのだが、前を通ると「本日は休み」と紙が張ってある ふざけんなよ、2が月も前に予約しておいたのに 10番さんは山の上、「333段」の石段の上にある
参詣後、山を降りた国道際にあった「うどん屋」に入ったが、満席の大繁盛、一杯のお客だ 8月15日の12時半、「ぶっかけうどん」を食べる
その後も次々と車に乗ってお客が来る
11番札所「藤井寺」まで9.3km 周囲は田んぼばかり、漸く川を越えることとなったが、その橋が車一台通るだけで一杯と言う狭さ 人と車が交差する時には両方が止まって確認 暑さが凄い、空は雲が全く見えない じりじりと焼け付く暑さ 参った
午後3時過ぎに漸く11番さんに到着 もうへとへと、本日の行程は27.9km
もう駄目だ 動けない 真夏の四国路は恐ろしい
ホテルまでタクシーを頼む 鏡を見たら「赤鬼」状態だった
夜は「阿波踊り」が駅前であるという 「JR鴨島」駅前には桟敷席が設けられ、 「連」が踊りながら、流れて来た 軽快なリズム、鐘、太鼓 独特の「男踊り」や「女踊り」の先頭は「子供たち」が立つ
踊りの中で一人が掛け声をかけると、それに合わせてたの踊り手が掛け声で答える
絶妙なタイミングでの掛け声、微妙な足の動かし方と手の振り 女踊りはそろいの衣装と笠が一団となって動く 連によって多少のリズムは違うし、男踊りは明らかに踊り形が違うようだ 兎に角、リズミカルな踊りに観客も取り込まれてしまう
次々と飛び込みで踊りの輪に加わっていく人たち 「同じ見るなら踊らにゃ損損」という訳か 日本の夏は盆踊り一色に覆われていた
駅前の「たこ焼き屋」に行列が出来ていた 思わず並ぶと名物なのか「マヨたこ」300円也となっていた 見ていると、生地を流し込んだプレートに、「タコ」と一緒に「マヨネーズ」と「天カス」が加えられる 一皿8個で300円、ソースと青海苔をかけてもらう
これが意外と美味しい 私も20分も並んで買うことができた

本来は11番終了後は次の12番に向かうのだが、山道を20km登る必要があるので、この暑さでは無理だと判断し、今回はパスすることに
6時36分発の電車で「国府」(こう)という駅へ行き、そこから歩き始めた
「ローソンでお握り二つとお茶を買い、歩きながら食べる
順序は逆になるがまずは15番札所「国分寺」から14番札所「常楽寺」、そして13番札所 「大日寺」へと
駅へ戻る途中で16番札所の「観音寺」へ 駅から最も遠い大日寺までの往復が13km
畑の中の道を歩くと、「ドカーン」と大きな音が どうも鉄砲の音を真似た「すずめ脅し」の音のようだ 田んぼには実った稲がたわわになっていた
不思議なのは熱い道の上に「みみず」の大量の死体があることだ みみずがなぜこの暑さの中、道路へと自殺行為の行進をするのか?理解に苦しむ
「とかげ」も結構見かけた 「地獄」がそこにあるのか
今回は行けなかった12番は11番から13番まで約40kmの山道の途中にあるという
駅の反対側の17番札所「井戸寺」へ、往復2.4km
ここから徳島市内を経て18番に行くのだがこれも20km近くありパス
電車で徳島経由「阿波赤石」へ行く
ここから18番札所「恩山寺」へと向かう 約3km 最後の800mは急な登り坂
マラャ唐フ呼吸法で2回づつ息を吸って吐いて、これに足の動きを合わせる
「スー、スー、ハー、ハー」兎に角上を見ず、足元を見詰めながら、いつが来るであろうゴールまで歩き続ける
苦しい道筋だ もう身体も足もぼろぼろだ やっと寺に着いて、あとお寺一つを残すだけ
山を下り、19番札所「立江寺」へ、3.7km
寺の境内で写真を撮ってもらった ばてた お寺から駅までが0.8kmもあった
本日の行程は合計で22.1km+0.8km
今回のお遍路さんはこれで終了
第一日目=11.6km
第二日目=27.9km
第三日目=22.9km  合計 62.4km

8月16日、夕方5時過ぎ徳島駅に到着 時速3km程度でしか歩けない
ANAに電話し明日の東京便の予約を再確認
今回は当初計画を常に半日上回る行程で歩いたため帰京を早めることが出来た
昨日は「総踊り」といって阿波踊りのクライマックスだったはずだ
夜、映画「眉山」のロケがあり、残された桟敷席前で阿波踊りがあることは知っていたが、動く気になれず、デパ地下で買い物をしてホテルの部屋で夕食を取った
映画「眉山」はさだまさし原作で主演は松嶋菜々子、20日まで阿波踊りのシーンの撮影があり、徳島ロケは9月下旬まで続くという
疲れ果て足も痛く、但しおかげさまで豆にはならなかったが、筋肉痛で歩きたくもない
朝、7時3分発の特急で高松へ 「眉山」の緑が美しい
出発地の「坂東」をあっという間に通過 あそこにお寺が、ロケ地がと思いながら阿波路を通過 「引田」を過ぎると瀬戸内の海が見られるようになる
香川県に入ると山と海が交互に見える やがて「屋島」が 讃岐平野の山は大半が「おにぎり」山なのに この屋島はどかんと巨艦が居座るような台形をしている
風化が進む周囲のおにぎり山とは異なり、風化の途中なのだろうか? 源平の古戦場跡地でもある
高松駅から空港へ ANAのボーイング777−400の座席は、行きが2D、帰りが2C、即ち本来ならば「スーパーシート」の席なのだが、料金は通常料金、繁忙期はスーパーシートとして使用していないみたいだ
でも運良く、行きも帰りもスーパーシートだった
漸く顔の腕も「赤鬼」から「「黒鬼」さんになりかけている
去年は運賃「1万円」の旅で鈍行列車に乗って函館まで行った
今年は四国お遍路の旅第一回、だが分かったことは全行程を歩くのは私には無理だということだった
道行く人たち、お遍路さんは若い人が多い 中年以降の人はやはり車で廻っているようだ
私もやはり歩くのは無理だと今回で悟った 以後は公共交通機関を使って廻ろうと思う
次回は年末年始を予定している
「同行二人」、お大師様と共に歩む「遍路道」
「般若心経」も滑らかに唱えることが出来るようになった
「南無大使遍照金剛」 この夏の暑さが骨身に堪えた旧のお盆休暇でした
以上、ジャパンパイルグループ、大同コンクリートの勢古口がお送りしました



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