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ブラジル倉敷紡勤務を振り返って 大庭敬太郎
ポルトアレグレには日本からの進出企業の横綱格として来年度に進出50周年を迎えるブラジル倉敷紡(毛紡)が工場を構えています。歴代の駐在社長、工場長は地元の名士、コロニアの指導者として活躍されて来ました。4年半の勤務を終えて7月末に大阪本社に帰任された大庭敬太郎さんからお願いしていたブラジル倉敷紡勤務の思い出をこの度送って頂きました。
大庭さんは、帰国寸前まで南伯日本商工会議所の会頭としてその重責を果たしておられました。仕事以外にもゴルフ、サッカーの名門チーム12月にTOYOTAカップで南米代表として東京、横浜でクラブ世界1を競うINTERNACIONALの大フアンでもありブラジルでの生活を十分エンジョイして帰られました。
写真は、大庭さんの送別会で日本食店《桜》で撮らせて頂いたものです。


和田様

ご無沙汰しておりますが、お元気でしょうか?
連絡が遅くなって申し訳ありません。

駐在中は公私共にお世話になり、ありがとうございました。
ちょうど4年6ヶ月のブラジル、ポルトアレグレ駐在でしたが、7月末に日本へ戻り、既に2ヵ月半が過ぎました。
日本に到着してからしばらくは、日本に帰ってくるのではなかったと思うほど、大阪の猛暑、蒸暑さに閉口し、体力も奪われていました。
最近では、朝晩は寒く感じることもあるほどになりましたので、ポルト・アレグレの気候も随分と変わってきたのではないかと思います。

時間と季節はしっかりと過ぎていきますが、私は未だに日本のスピードや細かさに慣れないように感じます。
ほんの4年半のブラジル駐在でしたが、ブラジル流、Kurashiki do Brasil流が身についてしまったのでしょうか。おそらく怠け者の言い訳なのだと思いますが。

今でもバタバタとしておりますが、帰国してからしばらくの間は、十分に週末の休暇も取れないほど多忙でありましたこともあり、お世話になったRS州の皆様へe-mailでの連絡さえできずにおりました。

駐在を振り返りますと、皆様とは比べ物にならないほど小さなものでしょうが、私もブラジル赴任時には希望と不安を抱えてサンパウロに降り立ちました。
そこから更に約千km離れたポルトアレグレまで行ったときの気持ちをご理解いただけるでしょうか。
もちろんブラジルへは喜んで赴任しました、駐在を嫌がっていた訳ではありません。
現地のクラシキを、より良い会社にするという希望も持っておりましたし、ポルトガル語の習得も2年ほどで行い、会社内でも現地従業員と直接会話をすることを考えていました。

ブラジルの経済的混乱のため、一時は当社も随分と業績悪化となりましたが、上昇気流も出てきましたし、本年1月には、もう一つのクラボウ子会社との合併が成就し、一つの区切りをつけて駐在生活を終えることができました。
しかし言葉のほうは、ご存知のとおりでありまして、あまりの難しさに帰国直前まで授業を受けなければならないほどでした。

また、商工会議所や援協では、十分なことも行えず、皆様のご期待にも副うことができず、申し訳なく思っております。

8月のRS州日本人移民50周年記念の式典に出席できなかったことが残念であり、来年4月末から予定しているKurashiki do Brasilの設立50周年記念の行事に参加できないであろうことが本当に残念です。

もう1年、ブラジルに駐在させてもらっていたらと思いはしますが、おそらくブラジルにいつまで居ても同じような気持ちであったことでしょう。

和田さんのサイトを読ませてもらいながら、ブラジルでのことをせめて思い出したいと思います。

長々と申し訳ありませんでした。今後ともよろしくお願いいたします。

大庭敬太郎



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