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第13回バーチャル座談会 【ハルとナツ 届かなかった手紙】 に付いて語る。(第1編)
10月2日からNHK放送80周年記念ドラマ、橋田壽賀子作の『ハルとナツ 届かなかった手紙』が放映されている。5年の歳月を費やし豪華キャストを揃えブラジルロケでは1000人のエキストラを使用して撮影された大作です。御覧になった皆さんのコメントを纏めていく形で何時ものバーチャル座談会第13回目としてこのドラマを取り上げて語り合って見たい。どれだけの反響、ご意見が集まるか分かりませんが、NHKの放送80周年記念番組として世界一斉に放映される番組であり何方にも気軽にコメント、発言頂ける話題だけに3回程度までは、続くのではないかと期待しております。


和田:今回、久し振りに第13回目のバーチャル座談会を開催したいと思います。題して【ハルとナツ 届かなかった手紙】に付いて語るです。NHKの放送開始80周年記念ドラマとして鳴り物入りでPRされており視聴率から言うとどの位の皆さんが見ておられるのでしょうか?少なくとも『私たちの40年!!』MLのメンバーの皆さんは、ブラジル移民に付いても一般の皆さんよりは、強い興味と感心をお持ちと思いますが、御覧になられた後の率直なご意見を纏めて置きたいと思いますので宜しくお願いします。

皆さんのご発言を受ける前に『私たちの40年!!』HPでは、過去『ハルとナツ』に付いては下記寄稿集に取り上げています。
移民史がNHKドラマに=放送開始80周年記念スペシアルドラマ 【ニッケイ新聞7月4日記事より転載】
2008年でブラジル移民100周年を迎えるブラジルコロニアでは100周年祭を視野に入れた色々な行事とその準備が組織的に始められているが、一足早く放送開始八〇周年を迎えるNHKでは二〇〇五年秋にブラジル移民をテーマにした記念テレビドラマを放送すると7月3日に海老沢勝二NHK会長が発浮オたと伝えられる。タイトルは『ハナとナツ・届かなかった手紙〜ブラジル移民物語』(仮)5回連続放送とのこと。NHK放送開始と同じ年に生まれた橋田寿賀子さん(放送時80歳になられる)の渾身の作品であの有名な『おしん』を凌ぐ集大成として仕上げると意欲を示しておられ我々ブラジルに住む者にとっても自慢の作品となるブラジル移民物語を今から楽しみにしている。
http://40anos.nikkeybrasil.com.br/jp/biografia.php?cod=415

主役の米倉さん、感涙=NHK「ハルとナツ」記者会見=ブラジル・ロケ 5月連休明けに
NHK開局八〇周年記念ドラマ「ハルとナツ」に付いては既に昨年寄稿集にも取上げていますが、愈々連休明けにクランクインするとのことでNHKならではの豪華出演者も決まりブラジル現地のエキストラ募集も始まっているとの事。関係ニュースをニッケイ新聞からお借りしました。名作「おしん」の脚本家橋田寿賀子さんが20年前から暖めていたテーマ、今から楽しみです。七庶・Nの「大地の子」、七曙ワ周年の「菜の花の沖」も見応えがあり記憶に残る作品でしたが、日本とブラジル、二つの世界、時間と空間を隔てた移民物語どのように仕上がるか?ニッケイ新聞の記者が言われる移民物語を橋田さんに任せても大丈夫なのだろうかとの疑問も投げかけられているだけにその出来が注目されます。宮本武蔵の「お通」役で人気を博した米倉涼子が何所までハル役に迫るか見物でありブ宴Wルと移民について日本の皆さんに考えて頂くきっかけと成ればと期待しています。
http://40anos.nikkeybrasil.com.br/jp/biografia.php?cod=570

和田:またバーチャル座談会に入る前に『私たちの40年!!』MLに取り上げられた下記記載を参考にご披露して置きます。
待ちに待った「ハルとナツ%ヘかなかった手紙」が10月2日から放映されるとの事、楽しみです。是非皆さんもご覧になって下さい。試写会の様子を伝えるニッケイ新聞を下記して置きます。
日本人とは問うドラマ=「ハルとナツ」=東京で試写会と会見
ニッケイ新聞     2005年8月25日(木)
 【東京支社】NHK放送八庶・N記念大型ドラマ「ハルとナツ%ヘかなかった手紙」が曙雌日から五夜連続放送されることが決定したことを受け、二庶O日午後NHK放送センターで、同ドラマの第一回「姉妹」の試写会が開かれ、その後、脚本家橋田寿子さん、ハル役の森光子さんと米倉涼子さんが会見。多くの記者とカメラマンがつめかけた。
 大型スクーリンに映像が映されると、胸に染み入るテーマ音楽が流れ、ナレーションでブラジル日本人の歴史が語られ始めたドラマ。妹のハルを七諸Nぶりに孫の大和(今井翼)と訪ねる高倉ハル(森光子)の場面から始まる。
 第一回は九助ェ。第二回から五回まではそれぞれ七曙ワ分。このドラマが重厚なものであることは、第一話で助ェうかがえた。
 会見で制作統括の阿倍康彦氏は「挨拶のなかで、準備から完成まで丸三年。このドラマを全国の人びとに見てもらいたい」とした上で、「きわめてシンプルのドラマ。だが、橋田先生がいろんな形で家族、孤独などいろいろなテーマをおさめられ、非常に懐が深く、深みのあるドラマに迫っている。関わった全ての人が力をこめ、この作品が出来上がった」と語った。
 脚本を書いた橋田さんは「膨大な資料を読まされました。脚本を書くのに半年かかったが、資料を読むのにも三カ月ぐらい。でも、作品を見て、今度ばかりは、やっぱり演出だなーと思った。演出と俳優さんとスタッフの意気込みで作品がこんなにもなるものか、本当に感動した。ブラジルを書かせていただき、とてもよかったと思っています」と明かした。
 八渚ホのハルを演じた森光子さんは「こんなご本 (脚本)が五冊で。でも、私も久しぶりに大きなお仕事をさせていただいという気持ち」
 森さんはブラジル移民七庶・Nに取材者としてブラジルを訪ねている。
 「そのとき一世の人たちと歌ったり語りあったりした。まるでこのドラマのために、ブラジルにいったのではと思う」。
 米倉涼子さんは曙ワ歳から五五歳までのハルを演じる。
「初めての橋田先生の脚本で演技をさせていただき、また私の憧れの大女優の森さんと、同じ人物ハルを演じることができ、こんな幸せことはありません」
 大変だったのは、大きなダニをさけることぐらいだった、という。
 記者の質問に答えた橋田さん言葉は重かった。
「私は日本人だということにすごくじくじたるものがある。今の日本はちょっと自慢できません。本当に日本を愛し、外国だから日本人はしっかり生きていかなければ、というあの精神を日本人にもってもらいたい。そんな思いもこめて書きました。豊かさで失った幸せ、そういうものを書きたかった」
 このドラマは、今の日本人に大きな問いかけをすることは確かである。

神山:僕も「ハルとナツ」の試写見ました。雑誌にドラマ評を書かないといけないのですが、現地でのロケの様子やストーリーへのご意見疑問などありませんか。
設定では、七〇年前に移民船乗船直前に生き分かれた(妹のトラホームが原因)姉妹が、互いに手紙を書きながら相手につかなかったことから感情のズレが生じたことになっています。日本に残った妹はクッキー造りがヒットして今や都内に大きなビルを抱える会社の社長です。このへんが、ちと橋田脚本はあざといですね。
その手紙ですが、日本からブラジルへ送られた手紙は駅止めになっていて、それで姉に着かなかったという設定です。それが七〇年後に探したら、近所の日系人商店主が預かっていたのもの発見されるのですが、そんなこと可狽ナしょうかねぇ。ま、ドラマですが。
姉の孫(三世)が登場するのですが、名前が「大和」ブラジル柔道のチャンピオンという設定です。このへんはコンデ・コマ=前田さんを意識した設定だなと感じました。だとしたら嬉しいのですが。
全体の感想としては確かに泣ける大作になっていますよ。

伊豆山:神山さんが持たれた疑問にお答いたします。
少々時間が経過してしまいましたが、何方からもお答えがないので、私がお答えすることにいたしました。答は、可狽ニ考えてもよいであろう、と言うことです。
私は1957年にブラジルに意外なきっかけで、(学校の就職案内掲示板に掲載されていた、『ブラジルで事業を興す為』のインチキ人員募集に見事引っ掛かって、それが縁で)、ブラジルに来てしまいまして、 アンパーロと云う、『ハルとナツ』の撮影の舞台になった東山農場より、さらに50〜60キロ奥地に入った町から、馬車で2〜3時間かかる処にあった農園に3ヶ月ほど居たことがあります。 
当時、手紙はアンパーロ駅留めで、郵便配達人など居ませんから、町に何かの用事で出た人が、駅に立ち寄り、郵便物を、知人友人の分まで持ち帰りました。 アンパーロは日本人がいない処でしたので、日本人の商店はありませんでしたが、日本人の入植地が近辺にあった町では、駅留めの日本人宛ての郵便物を、町にある日本人の商店が預かったであろうことは、助ェに想像出来ることです。 只 70年後の発見は少々長すぎる様に思えますが、全くあり得ないこととは云えません。 私にも『届かなかった手紙』がありますので、披露いたします。 
船で、ブラジルへの途上、シンガポールに6日ほど停泊いたしましたが、シンガポールには同船仲間が台湾出身の中国人のお医者さんを友人に持っていましたので、私も彼に便乗して、そのお医者さんの家(豪華マンション)に泊まりこみ、毎日、毎夜、遊び歩くことが出来ました。このお医者さんが、家族ぐるみでお付き合いしていた友人仲間に、お金持ちの華僑がいて、そこには何人か娘さんがいました。長女が『凄〜い美人』でして一緒にダンスをしたり、食事をしたりで、交際の約束を交わし、ブラジルに着いてから、早速 彼女に手紙を送ったのですが、全然返事が来ませんでした。お金持ちの美女!どう考えても『自分は振られて当然、、、』と思いまして、再度、彼女に手紙を書くことなく、以後、忘れてしまいました。それから4年ほど経って、今の女房と結婚することになりまして、自分の荷物を整理していた時に、なんと、手紙の束から、未開封のままの彼女からの返信が出てきたのです! 多分、アンパーロの農場で一緒に居た友人が、この大事な手紙を駅から持ってきてくれていたのに不覚にも私は気付かず、開封することなく、他の手紙と紛れてしまっていたのでした。 この『届かなかった手紙』を、自ずから、駅で手にしていたら、私の人生は全く別のものになっていたかも知れないのです。(アジアの大富豪!?)お別れに貰った彼女のサイン入りの写真もあったのですが、何時の間にか何処かに消え去りました。多分、私の知らないうちに女房が『厳重に処分』してしまったに違いありません。かくして、私の大事な青春のヒトコマはこの世から永遠、かつ、完全に消え去りました。 
皆さん、これ、『ハルとナツ』より深刻な『届かなかった手紙』と思いませんか? 

神山:ご丁寧なメールありがとうございました。そうですよね。今の日本の人間関係の常識で当時の移民の皆さんのことを考えたらいけませんね。脚本の橋田スカコさんは、「資料は三カ月みっちり読み込んだ」と仰っていましたが、ブラジル取材には行っていないし移民の方へのインタビューもしていないのだそうです。僕からしたら、この仕事の一番面白い部分を放棄しているようにもおもえましたが、でもその中からこういう手紙のエピメ[ド等を書き込むのですから、作家の直感には舌を巻くばかりです。もう一つ面白いことがありました。
作品中、ブラジルに渡った姉(森光子)の孫が登場します。名前を「大和」、ブラジル柔道の強豪という設定です。これって、まんまコンデ・コマ(前田光世)さんじゃないですか。コンデさんも「大和」を名のって日本人の誇りの伝承として戦い歩いたんですから。僕は嬉しくなってプロデューサーに「橋田さんもコンデ・コマのことを知っているんですね」と言ったら、あっさりと「いえ、橋田さんはコンデ・コマの資料は読んでいません。日本の誇りを背負って生きるなら名前は「大和」がいい、やっぱり柔道よね」といって、この役を設定されたそうです。恐るべし作家の直感。橋田さんは何も知らずに明治の若者の魂を作品内に蘇らせたことになりますね。ま、コンデさんも天井から苦笑しながら喜んでくれていると思いますが。
ありがとうございました。
参考までに、僕がダイムという雑誌に書いたテレビ・コラムです。お時間ある
時にご笑覧くださいまし。よろしくどーぞ。
 戦後60年という区切りの年だからだろうか、今夏は各局とも現代史を振り返
る大作が多かった。その○美を飾るのが10月に5夜連続で放送されるこの作品
だ。
 70年前、北海道の寒村からブラジルへの移民寸前に生き別れになった姉妹
が、今日の日本で再会する。方や移民の苦しみを味わいながら家族の絆を守り
続けてきた姉(森光子)と、独りぼっちで日本に残され戦中戦後の苦労の末に
起業して大企業の経営者となった妹(野際陽子)。70年ぶりに帰国した姉は日
本の変貌にとまどうばかりだが、その脇にはしっかりした孫がいる。一方経済
的繁栄をかち得ながら、妹一家の心はバラバラだ。そのあざとい設定はいかに
も橋田ドラマだが、国の繁栄とは何か、人の幸せとは何かを問うテーマ性は鮮
やかに描き出している。
 それにしても見事なのは、作家の直感力だ。橋田はこの大作を依頼されて、
資料読みに三カ月かかったという。けれどブラジル取材には行っていないし移
民のインタビューもしていない。それでいて、当時移民する人の事情が「出稼
ぎ型」や「国威発揚型」等様々だったことをしっかりと描いている。
 中でも驚いたのは、姉の孫(今井翼、日系三世役)に「大和」の名前をつ
け、ブラジル柔道界の強豪という設定にしたことだ。それはまるで、明治期に
ヨーロッパから南米を戦い歩き、晩年はアマゾン移民の父と慕われた柔道家、
前田光世(コンデ・コマ)を彷彿させるエピメ[ドではないか。前田も現地で
は「大和」を名乗り、現地人と異種格闘技戦を繰り広げながら移民たちを勇気
づけた。橋田はその事も資料で知ってこの設定にしたのか。念のためNHKに
問いあわせると、プロデューサーは笑ってこう言った。
「いえ、橋田先生には前田光世の資料は渡していません。日本人の誇りを持っ
て生きる青年だからその名は大和、しかも柔道家がいいだろうと考えられたん
です」。つまり作家の直感が、遠く明治の若者の魂を作品内に蘇生させたこと
になる。
 もう一つ面白かったのは、姉の青春期を演じる米倉涼子の存在だ。記者会見
で森の脇に並ぶと、二人の身長差は約20センチ。とても同一人物を演じる女優
とは思えない。それは55年の年齢差であると同時に、移民全盛の時代と現在の
日本人の差異そのものだ。立派な体格は得たけれど、精神的な豊かさを失った
日本人。作家の鮮やかな直感力は、このキャスティングからもテーマ性を引き
立てている。

和田:お二人の語らいを見ていて密度の濃い遣り取りに非常に感心すると共にこれぞ『私たちの40年!!』MLの望むあり方だと嬉しく思いました。何らかの形で寄稿集にも掲載残して置きたいと思います。
伊豆山さんの【届かなかった手紙】人生の皮肉でしょうか?神の摂理?手紙の内容を覗き見したい気がしますね。多くの皆さんにもこのような人生の悪戯、機微に付いての経験をお持ちではないかと思いますが如何でしょうか?他人に憚るような話でなければ聞かせて頂きたいですね。
神山さんには、是非2008年のブラジル移民100周年の年にブラジル移民に付いての現地取材に基づく移民物(岡村さんは、金にならない草臥れ儲けと嘆いておられますが)を一本書き上げて頂きたいですね。熱血ライターの超大作を期待しております。

丸木:伊豆山さんのシンガポールで富豪の娘との話、事実は小説より奇なり、受け取られた手紙を開封されなかったとは、ほんとうに惜しいことされましたね。
僕もシンガポールには百回以上出張しましたが、そのような機会は一度もありませんでした。それにしても、シンガポールは素晴らしい国になりました。
華僑には脱帽します

和田:さて前置きが長くなってしまいましたがそろそろバーチャル座談会に入りたいと思いますが、トップバターは何方でしょうか?

富田:「ハルとナツ」の記事を読んで、昔ロサンジェルスに通っていた頃の話を思い出した。
二世の友人から「ホテル・ニューオータニには泊まるな」と、抗議されたことである。 話を聞くと、ニューオータニは、「二世は移民の子である」と言う理由で、日系二世の採用を拒否していたのだ。 「メキシコ人は採用しているのにだぞ。」と友人は怒っていた。
よく考えれば、70年代一斉に米国に進出した日本企業は、日系人顧客を最初のターゲットにして、電気釜、TV、車、投資信託等々を売って、米国への進出の足がかりを掴んだのだ。
それなのに、なんとも恩知らずなことをしたものだ。
ブラジルで、ペルーで、米国で、メキシコで、我々戦後移民は、戦前渡航した先輩諸氏が築いて下さった"高い日本人への評価"に、どれだけ助けられたことか。少なくとも私は、「日本人だから信用する。」と何度も言われたことがある。
同胞から差別されて来た「移民」こそが、海外に於ける日本人の高い評価を築いたことを忘れないで欲しい。
以上のような視点がストーリーに加味されているか、どうかを、「移民物」ドラマに対する私の評価の物指しにしたい。

和田:愈々この週末、日曜日の夜9時(日本時間=ブラジルでは朝9時)から始まる『ハルとナツ』届かなかった手紙を見られるに当りしっかりとした物差しと言うか評価基準を持っておられる事に対し敬意を浮オます。
【ブラジルで、ペルーで、米国で、メキシコで、我々戦後移民は、戦前渡航した先輩諸氏が築いて下さった"高い日本人への評価"に、どれだけ助けられたことか。少なくとも私は、「日本人だから信用する。」と何度も言われたことがある。同胞から差別されて来た「移民」こそが、海外に於ける日本人の高い評価を築いたことを忘れないで欲しい。】富田さんの仰る通りだと思います。
ホテルニューオータニのオーナは元関取だったとか聞いた事がありますが、アメリカまで進出しておいて移民の子を差別したのでしょうかね。
富田さんのドラマを見られた後の評価を楽しみにしております。

桐井:ボン・ジーア 明日から、いよいよNHKドラマ「ハルとナツ 届かなかった手紙」が放映されます。
今日は午後7時30分からNHKでそのプロローグがありました。
ブラジル移民のルーツは、当時「さあ行かう一家をあげてブラジルへ」をスローガンに、1908年、笠戸丸出航から始まります。
ナツはトラホームゆえに渡航できず日本に残ることになったそうです。ハルとナツはお互いに手紙を出すのですが、戦争ゆえか届かなかったそうです。
当地では苦労に苦労を重ね、自作農として独立した人もいますが、また、うまく行かず夜逃げした人もあると聞きました。
並々ならぬ努力の結果、地に根付いた人たちも大勢いると言っていました。
ブラジルの経済や教育、言語等についてのお話も関心をもって聞きました。
要は、このドラマでは、家族の絆、家族愛、姉妹愛などの大切さがよく謳われているとのことでした。
大いに期待しています。先ずは今日の感想まで。

和田:BOM DIA おはようございます。私もNHKの番組見ました。嬉しいですね。このようにブラジルが紹介されるのは。これでぐっと視聴率が上がるのではないかと思います。
サンパウロ州奥地ののロケ一中の控え室にBOM DIA=ボン・ジーアと紙が唐チてありハル役の米倉さんが元気良くボン・ジーアを連発されていたようですね。
一人でも多くの方に見て頂きブラジルを理解、日本とブラジルの親善に役立って呉れればと願ってます。
戦前9万人、戦後7万人合計26万人の日本からの移住者がブラジルに移り住みましたが、90年代初めから急増したブラジルからの出稼者が28万人お世話になっておりこれらの方が汗の結晶として年間平均14.5回合計22億ドルをブラジルへ送金しているとの数字は驚きですね。これはブラジルからの日本向け輸出総額又は日本からの輸入総額にも匹敵する金額との事です。
今回の『ハルとナツ』は、日本とブラジルの過去の移民史を綴ったドラマですが、今後はこのブラジルから日本に出稼ぎに行っている日系ブラジル人、あるいは日本とブラジルといった枠を離れての若い人たちの人生の選択の一つといして海外に移り住むと言う桐井先生が提唱しておられる国境の無い世界、世界は一つへの方向を目指した将来のドラマに発展して行くと面白いですね。
2008年には、笠戸丸以来のブラジル日本移民100周年を迎えますが、其の前哨戦として5年の歳月と強大な制作費を費やしての大作がNHKならではの放送80周年記念ドラマとして公開されるのを喜んでいます。

岡村:NHKは鳴り物入りでドラマ「ハルとナツ」の大宣伝体制に入っているようですね。
実際のNHKが移民、そして弱小メディア、無名の制作者などをどのようにあつかって移民のドラマ作りをしたか、以下をご参考にしていただくと放送八諸N記念のドラマをより楽しんでいただけるかもしれません。

NHK会長
橋本元一様
在ブラジルの記録映像作家の岡村淳と垂オます。
御社ドラマ「ハルとナツ」の盗作の疑いの回答を求めます。
ドラマの試写・絡枢メを見た複数のマスコミ関係者から、ドラマの骨子が私が企画・取材・告ャをしたドキュメンタリー「60年目の東京物語 ブラジル移民女性の里帰り」(1996年、MXテレビ放送)に酷似しているとの指摘があります。
私が同ドラマの公侮送ソを検討したところ、
1.姉妹がブラジル移住をめぐって離れ離れになる
2.その後、通信の混乱から音信が途絶える
3.数諸N後、ブラジルに移住した姉妹が日本に残った姉妹を訪ねる
以上、ドラマの根幹部分が共通しています。
御社から私に今まで何の連絡もありませんが、私の調査で
1.同ドラマ立上げの段階でブラジル通の御社職員が私の上記作品の試写を薦めている
2.御社関連会社がMXテレビから上記作品の試写用テープを入手している
の事実が明らかになりました。
以上を踏まえても御社は同ドラマと拙作の関係を否定するのか、あるいは拙作試写を認めた上で上記の共通点の借用は阜サ者の良識に照らして盗用レベル以下と判断されるか、または謝罪・謝辞等の対策をされるのか、御社の調査と回答を求める次第です。
2005年9月21日 
岡村淳

和田:ヴィデオカメラ一つを抱えて総てお一人で企画・取材撮影・告ャ・ナレターまで遣っておられる岡村さんのコロニアの目線で追うブラジル作品を幾つも見せて頂いており特に40年目のヴィデオレター《アマゾン編》ではご一緒に現地まで出向きお仕事をさせて頂いただけに岡村さんの『ハルとナツ』の盗作疑惑に付いては、大いに注目している一人です。「60年目の東京物語 ブラジル移民女性の里帰り」(1996年、MXテレビ放送)も見せて頂いているだけに物語のシチュエーション設定には、酷似しているところはあると思いますが、作者の橋田さん自身がこの岡村さんの、「60年目の東京物語 ブラジル移民女性の里帰り」を見たり聞いたりしておられたのでしょうか?膨大な資料の読み込みをして国zを練ったとのことですので実際にトラホームで乗船を拒否されたり、色々な事情で引き裂かれた家族、姉妹等の事実は存在しそれを題材に作品の存在も有り得ると理解していたのではないでしょうか?80歳の老練のシナリオ作家の橋田さんであれば岡村さんと同じ様な観点から物語を告ャすることも有り得ると思います。
少なくとも岡村作品が事前に存在することをNHKが知っていたとすれば岡村さんが何らかの釈明を求めておられるように誠意ある対応をNHKとしては、取るべきだと思います。その点では岡村さんのNHK橋本会長(新しく就任されたのですね?)への質問状、抗議文は、うやむやにするべきではないと思います。適切且つ岡村さんが納得できる回答が出て来ることを願ってます。
コロニアに住みコロニアを題材に奮戦しておられる岡村さんのことですからNHKが放送80周年記念ドラマとしてブラジルと金にならないと言われている移民を題材にして巨額を費やし「ハルとナツ」を製作したのですからその意義と日伯親善、ブラジルを知って貰う上で大きなインパクトが期待できる大作であるだけにその成功を願う気持ちはブラジルに住む者として私と同じだと思いますが、ブラジルを題材にしてプロとして活動して来られている岡村さんには、岡村さんなりの意地と誇り、けじめを付けて置く問題なのでしょうね。納得が行くまで頑張って見て下さい。



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